柳田国男による教育に関する言説のうち、柳田がもっとも重視した話し言葉教育の独自性を明らかにし、その歴史的意義を明示します。このため、1930(昭和10)年代から1950(昭和25)年代前半までを対象として、話し言葉教育に関する柳田の言説を考察します。
母語教育としての国語教育は、本来的に人と人との関わり、即ちコミュニケーションに関する内容を前提としますが、実際の国語教育では、話すことや聞くことの重要性をとりあげるものの、話し言葉をコミュニケーションという視点からはほとんどとらえてきませんでした。
柳田は言語をどのようにとらえていたのか、柳田が提案する国語教育論、話し言葉教育論とはいかなるものなのか、柳田の言説で用いられる「本当の国語教育」「正しい言葉」を手掛かりに、柳田が監修した検定教科書(25、26年度本)を対象に、柳田話し言葉教育論を具現化した教材をとりあげて発達段階ごとに考察します。