「子どもの頃から文章を書くのが好きだった。」高校二年生でNHKラジオの「私たちの言葉」に自分の言葉が採用されたのが、文章を書いて新聞・雑誌に投稿するようになったスタートだった――この一冊には、時々のみずみずしい想いを文章にしたためて伝え、世に声を出し続けてきた著者の姿がちりばめられている。兄を戦争で亡くし、強まり、確かとなった不戦の誓い。 前著の私家版『愚草つれづれ』(2022年 銀の鈴社刊)から4年、卒寿を迎えてまとめられた、240編ほどの文章は、さながら著者渾身の「自分」=「人生」のようである。それはこれからも穏やかに、熱意をもって続いていくだろう。
(本文より一部抜粋)
兄さんの戦死の知らせを受けたときは、じいちゃんはまだ子どもでしたが悲しくてしかたありませんでした。それよりも、その知らせを受けたときのお母さんの悲しそうな顔が忘れられません。(本文「じいちゃんの戦争と平和」より)
70年前に福島に4年間住んでいて、福島を第二の故郷にしている者である。8年前に相馬野馬追の雄姿を間近で見て感動し、本紙に「相馬野馬追感動 未来永劫続いて」と投稿した。今回はNHKのテレビで「原発事故を乗り越えて 大熊町で描く若者の夢」を見て、改めて福島にエールを送りたいと願った。(本文「大熊の若者たちにエール」より)