シュクメルリにハチャプリにワイン…。56歳で会社を辞め、餃子を求めて、シルクロードの旅の途中で出会ったのは、家庭の台所で守られてきたジョージアの食と文化だった。ワイン作り、祝祭、失われた伝統を取り戻す人々。誇り高きカルトヴェリ人(ジョージア人)の暮らしを通して、ジョージアの魅力と料理を伝える一冊。
◎本文より
「「ジョージア美食研究家」なんて気取った肩書をSNSで名乗っています。
ジョージア料理が好きで、ジョージアという国が好きで、ジョージアの人たちが好きで、その魅力を日本に伝えるための活動をしています。機会があればジョージアに足を運んで長期滞在し、レストランで食べ歩くだけでなく、一般のご家庭のキッチンにお邪魔してお料理を習うこともあります。そうして集めたレシピを使って東京で料理教室を開いています。
ジョージアの全土とまでは言いませんが東西南北様々な地方を巡り、各地の郷土料理も調べてきました。在日ジョージア大使館では大使のお客様のためにたびたびお料理を作っています。こんな風に自己紹介をすると「ものすごい経歴の人」と勘違いされてしまうのですが、ほんの数年前までは、普通の会社員でどこにでもいるお母さんでした。海外に長期滞在するきっかけの多くは、ご自身の仕事や留学あるいは海外赴任する家族への帯同ではないでしょうか。私はそのどれにも当てはまらず、普通に旅行したことがきっかけでした。2019年に初めてジョージアに足を踏み入れるまで、1人の知り合いもおらず、なんのつてもありませんでした。(略)
特別な経歴がなくても、何歳からでも、自分が好きなことが見つかれば、大きく人生が変わり、たくさんの出会いがある。新しい出会いによって思ってもいなかった体験ができる。ありふれた表現かもしれませんが、私が一番お伝えしたいのはこのことです。
ジョージア料理の魅力と共にアラ還おばさんの冒険譚としてお読みください。同じような年代の女性たちに勇気を持ってもらえるきっかけになれたら嬉しいです。」(「はじめに」より)