宮城県仙台市にある、自然派ビュッフェレストラン「六丁目農園」。ここでは、形が悪いというだけで捨てられてしまう野菜をおいしい料理に生まれ変わらせ、さまざまな特性を持つスタッフたちが、それぞれの得意なことを生かして働いています。
本書は、そんな実在するレストラン「六丁目農園」を舞台に、開店準備からお客さまを迎え、店を閉めるまでの一日を描いた絵本です。
曲がったきゅうり、ボコボコしたトマト――。見た目や形は違っても、太陽の光をたっぷり浴びて育った野菜は、みずみずしくて味は抜群です。
そして、そこで働く人たちも一人ひとり違います。じっとしていることが苦手だったり、人と話すことが少し苦手だったり、声が小さかったり。一方で、ピザづくりが得意、スープづくりが得意、卵料理が得意など、それぞれにその人ならではの力があります。
六丁目農園では、野菜をスライサーではなく手で切るなど、手間を惜しまず、丁寧に料理をつくることを大切にしています。スタッフたちは、それぞれの個性や得意なことを生かしながら力を合わせ、心を込めて料理をつくり、お客さまを笑顔で迎えます。
形が違う野菜にも、それぞれのおいしさがある。
人にもそれぞれ違いがあり、その人だからこそできることがある。
本書に描かれているのは、誰かと同じであることではなく、それぞれの「できること」が重なり合って、一つの仕事になっていく姿です。
食材を大切にすること。手間を惜しまず仕事をすること。そして、一人ひとりの違いをその人らしさとして受け止め、ともに働くこと。
レストランの活気あふれる一日を通して、食と仕事、そして多様な人たちがともに生きることの豊かさを、子どもたちにやさしく伝える一冊です。