- 発売日:2026/09/23
- 出版社:文学通信
- ISBN:9784867661307
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文学研究者は翻訳をどう読んでいるのか
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商品説明
【文学にとって、翻訳とは何か──。】
文学において翻訳はいかに営まれてきたのか。翻訳者はいかなる存在として描かれ、翻訳そのものは文学のなかでどのように表象されてきたのか。冷戦をはじめとする、文学を取り巻く社会状況は、そのときいかなる影響を及ぼすのか。
日本文学の英訳、母語や複数言語を扱う作品、冷戦期における日本近代文学の英訳と海外への受容・利用など、多彩な事例を通して「翻訳」の姿を読み解く。さらに本書では、翻訳を言語間の営みにとどめず、マンガへのアダプテーションをはじめとする〈記号への翻訳〉にも視野を広げる。
本書は、翻訳について思考するための、もっとも豊かな実験場である文学に注目し、その豊かな関係性を探究する。訳の巧拙といった議論にとどまらない、翻訳と文学をめぐる見方を大きく更新する一冊である。
【本書を読むことで読者が、「原文」「訳文」「翻訳」「文学」「日本語」「英語」「母語」「外国語」「越境」といった、翻訳を考えるときに当たり前のようについてくる言葉を問い直すことになればよいと考えている。そして、そうした問い直しが最終的には「主体」「多様性」「共同体」といった概念の思考へと接続される可能性を示したい】
……「序章 翻訳から文学を、文学から翻訳を考える」より。
■本書のポイント
(1)翻訳がとりわけ日本の近代文学においていかに機能するのかを徹底的に探究。
(2)翻訳をめぐる思考を通じて、「主体」「多様性」「共同体」といった概念の再考を迫る。
(3)アメリカの大学院に進学し、海外で日本文学を学んだ筆者自身の経験、さらには日本文学を英語で教えることなど、教育的な内容のコラムを配置。
■本書で取り上げられる作品・人物
樋口一葉『たけくらべ』、多和田葉子『地球にちりばめられて』、太宰治『人間失格』と『まんがで読破『人間失格』』、谷崎潤一郎『陰翳礼讃』、大佛次郎『帰郷』、堀田善衛『広場の孤独』、武田泰淳『蝮のすえ』、エドワード・E・サイデンステッカー、ドナルド・キーン、ロバート・ライオンズ・ダンリー、ロマン・ヤコブソン、ロラン・バルト、夏目漱石『倫敦塔』、温又柔、川端康成、水村美苗など。
文学において翻訳はいかに営まれてきたのか。翻訳者はいかなる存在として描かれ、翻訳そのものは文学のなかでどのように表象されてきたのか。冷戦をはじめとする、文学を取り巻く社会状況は、そのときいかなる影響を及ぼすのか。
日本文学の英訳、母語や複数言語を扱う作品、冷戦期における日本近代文学の英訳と海外への受容・利用など、多彩な事例を通して「翻訳」の姿を読み解く。さらに本書では、翻訳を言語間の営みにとどめず、マンガへのアダプテーションをはじめとする〈記号への翻訳〉にも視野を広げる。
本書は、翻訳について思考するための、もっとも豊かな実験場である文学に注目し、その豊かな関係性を探究する。訳の巧拙といった議論にとどまらない、翻訳と文学をめぐる見方を大きく更新する一冊である。
【本書を読むことで読者が、「原文」「訳文」「翻訳」「文学」「日本語」「英語」「母語」「外国語」「越境」といった、翻訳を考えるときに当たり前のようについてくる言葉を問い直すことになればよいと考えている。そして、そうした問い直しが最終的には「主体」「多様性」「共同体」といった概念の思考へと接続される可能性を示したい】
……「序章 翻訳から文学を、文学から翻訳を考える」より。
■本書のポイント
(1)翻訳がとりわけ日本の近代文学においていかに機能するのかを徹底的に探究。
(2)翻訳をめぐる思考を通じて、「主体」「多様性」「共同体」といった概念の再考を迫る。
(3)アメリカの大学院に進学し、海外で日本文学を学んだ筆者自身の経験、さらには日本文学を英語で教えることなど、教育的な内容のコラムを配置。
■本書で取り上げられる作品・人物
樋口一葉『たけくらべ』、多和田葉子『地球にちりばめられて』、太宰治『人間失格』と『まんがで読破『人間失格』』、谷崎潤一郎『陰翳礼讃』、大佛次郎『帰郷』、堀田善衛『広場の孤独』、武田泰淳『蝮のすえ』、エドワード・E・サイデンステッカー、ドナルド・キーン、ロバート・ライオンズ・ダンリー、ロマン・ヤコブソン、ロラン・バルト、夏目漱石『倫敦塔』、温又柔、川端康成、水村美苗など。
目次
序章 翻訳から文学を、文学から翻訳を考える
本書が目指すもの/本書の構成と想定した読者/「翻訳」の一般的な理解─移行モデル/翻訳の倫理的側面/ヤコブソンの三分類と「翻訳の表象」
第1章 言語間翻訳をめぐる言説編成
──『たけくらべ』“Growing Up”“Child’s Play”を視座として
「移行モデル」の問題/「移行モデル」から遠くはなれて/発話行為主体から考える/翻訳の評価をめぐって/並列モデルにおける「評価」とは?
第2章 単一言語主義に抗って
──多和田葉子『地球にちりばめられて』における「母語の外」
多言語主義の風潮/イデオロギーとしての単一言語主義・モノリンガリズム/単一言語主義のトロポロジー/「越境作家」多和田葉子/『地球にちりばめられて』/母語、学習言語、ネイティブ・スピーカー/非ネイティブ/移入者の言語と「不真面目な」言葉遊び/偏在する言葉遊び─ラジカルなオープン・エンド/「母語」の亡霊
第3章 漫画アダプテーションは何を表現するのか
──『人間失格』と『まんがで読破『人間失格』』
「テクスト」の過去=未来/『まんがで読破『人間失格』』/「はしがき」と「あとがき」/顔のない人物たちと「人間」というカテゴリー/ヒラメの言語運用/一人称の漫画表現の三人称性/媒体間のヒエラルキーをめぐる物語
第4章 冷戦期日本近代文学の英語翻訳(1)
──Atlantic Monthlyの日本特集を中心に
日本近代文学の「黄金期」/「日本近代文学」の可視化─三つの出来事/『パースペクティヴ・オヴ・ジャパン』の戦略とアメリカの位置/『陰翳礼讃』と文化のポリティクス/サイデンステッカーと中島健蔵
第5章 冷戦期日本近代文学の英語翻訳(2)
──大佛次郎『帰郷』と堀田善衛『広場の孤独』
「スタイル」の問題/大佛次郎『帰郷』―放浪者とナショナリストの肖像/『帰郷』における「欧羅巴」と「亜米利加」/Homecoming におけるアメリカとヨーロッパの位置/「対抗馬」としての堀田善衛『広場の孤独』―翻訳者の亡命/『広場の孤独』における「東京」と「アメリカ」/『広場の孤独』における「ヨーロッパ」/サルトル・モーリヤック・ジッド/新たなオリエンタリズムの創生
第6章 小説のなかの翻訳者
──武田泰淳『蝮のすえ』における翻訳の形象化
翻訳者はいかに表象されてきたか/「代書」という職業と主人公の自己規定/〈代わって書く〉という機制/主体の回復への動き―男性性/主体の回復への動き―日本人性/回復の失敗と非-日本人の代行者
【コラム】
①英語で日本文学を教えるということ
②二重国籍者はつねに説明を求められる
③比較文学ってliterature をcompare するんじゃないの?!
──私の大学院時代前編
④「あなたがアジア人だからありがたいです…」
──私の大学院時代後編
⑤〈日本研究〉の見えない前提
⑥代書と翻訳
あとがきに代えて
初出一覧
参考文献
索引
本書が目指すもの/本書の構成と想定した読者/「翻訳」の一般的な理解─移行モデル/翻訳の倫理的側面/ヤコブソンの三分類と「翻訳の表象」
第1章 言語間翻訳をめぐる言説編成
──『たけくらべ』“Growing Up”“Child’s Play”を視座として
「移行モデル」の問題/「移行モデル」から遠くはなれて/発話行為主体から考える/翻訳の評価をめぐって/並列モデルにおける「評価」とは?
第2章 単一言語主義に抗って
──多和田葉子『地球にちりばめられて』における「母語の外」
多言語主義の風潮/イデオロギーとしての単一言語主義・モノリンガリズム/単一言語主義のトロポロジー/「越境作家」多和田葉子/『地球にちりばめられて』/母語、学習言語、ネイティブ・スピーカー/非ネイティブ/移入者の言語と「不真面目な」言葉遊び/偏在する言葉遊び─ラジカルなオープン・エンド/「母語」の亡霊
第3章 漫画アダプテーションは何を表現するのか
──『人間失格』と『まんがで読破『人間失格』』
「テクスト」の過去=未来/『まんがで読破『人間失格』』/「はしがき」と「あとがき」/顔のない人物たちと「人間」というカテゴリー/ヒラメの言語運用/一人称の漫画表現の三人称性/媒体間のヒエラルキーをめぐる物語
第4章 冷戦期日本近代文学の英語翻訳(1)
──Atlantic Monthlyの日本特集を中心に
日本近代文学の「黄金期」/「日本近代文学」の可視化─三つの出来事/『パースペクティヴ・オヴ・ジャパン』の戦略とアメリカの位置/『陰翳礼讃』と文化のポリティクス/サイデンステッカーと中島健蔵
第5章 冷戦期日本近代文学の英語翻訳(2)
──大佛次郎『帰郷』と堀田善衛『広場の孤独』
「スタイル」の問題/大佛次郎『帰郷』―放浪者とナショナリストの肖像/『帰郷』における「欧羅巴」と「亜米利加」/Homecoming におけるアメリカとヨーロッパの位置/「対抗馬」としての堀田善衛『広場の孤独』―翻訳者の亡命/『広場の孤独』における「東京」と「アメリカ」/『広場の孤独』における「ヨーロッパ」/サルトル・モーリヤック・ジッド/新たなオリエンタリズムの創生
第6章 小説のなかの翻訳者
──武田泰淳『蝮のすえ』における翻訳の形象化
翻訳者はいかに表象されてきたか/「代書」という職業と主人公の自己規定/〈代わって書く〉という機制/主体の回復への動き―男性性/主体の回復への動き―日本人性/回復の失敗と非-日本人の代行者
【コラム】
①英語で日本文学を教えるということ
②二重国籍者はつねに説明を求められる
③比較文学ってliterature をcompare するんじゃないの?!
──私の大学院時代前編
④「あなたがアジア人だからありがたいです…」
──私の大学院時代後編
⑤〈日本研究〉の見えない前提
⑥代書と翻訳
あとがきに代えて
初出一覧
参考文献
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文学研究者は翻訳をどう読んでいるのか
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