• 発売日:2025/04/25
  • 出版社:花鳥社
  • ISBN:9784868030225

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古事記論考

古事記論考

通常価格 9,350 円(税込)
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商品説明
なぜヤマトタケルに魅せられるのか

スサノヲやヤマトタケルがもつ荒々しい野生の力と、アマテラスや天皇の秩序による文明の力。
その相克を描いた古事記は、忘れられた自然や野生の魅力を呼び覚まし、文明や文化の意味を問いかけている。
人間の原点を伝える文学作品として、核心を読み解く。
目次
はじめに

序章 『古事記』の原風景 海へ
 1 はじめに
 2 葦茂る水辺の風景
 3 潮気立つ海辺の風景
 4 山野河海に抱かれた暮らしの風景
 5 水の源郷、ワタツミの世界
 6 おわりに

第1章 モノ神の伝承
1 都市の大物主——崇神朝の祟り神伝承をめぐって——
 1 『古事記』の大物主
 2 崇神朝の神人分離
 3 都市の霊威
 4 多層空間としての〈自然〉

2 生成するモノとコトの物語——垂仁記のホムチワケ伝承をめぐって——
 1 はじめに
 2 反復する国譲り
 3 「御諸山」の神
 4 大物主の祭祀
 5 出雲大神の祟り
 6 「事」から「言」へ
 7 おわりに

3 記紀神話をどう読むか——神話と歴史 アマテラスと大物主・倭大国魂の伝承をめぐって——
 1 崇神朝の「歴史」物語
 2 自然の排除と文明の樹立
 3 纏向遺跡と魏志倭人伝

4 記紀神話の自然観——「もの」世界の変容——
 1 はじめに
 2 世界を生成する「もの」の力
 3 不気味にざわめく「もの」の力……
 4 都市と文明の中にうごめく「もの」の霊威
 5 謀反を告げる「さやぎ」
 6 自然に君臨する王と国家
 7 伝承の表層と古層
 8 「もの」世界のゆくえ

第2章 大国主の伝承
1 大国主神話——国譲り神話研究史の一断面——
 1 成立研究をめぐって
 2 王権神話の〈読み〉
 3 葦原中国をめぐって
 4 伝承と表現

2 出雲と葦原中国
 1 『古事記』の出雲
 2 『古事記』の葦原中国
 3 出雲と葦原中国

3 オホナムヂの古層と新層——「国作り」の神から「国譲り」の神へ——
 1 問題の所在
 2 大穴牟遅から大己貴・大汝へ
 3 伊和大神との習合
 4 おわりに

第3章 自然と文明の神々の伝承
1 カグツチの神——〈ケガレ〉の力——
 1 問題の所在
 2 〈ケガレ〉の力
 3 異郷の霊威

2 日本神話の女神たち——自然と文化を繋ぐ母性の伝承——
 1 「女神」への問いかけ
 2 地母神イザナミと大地の性
 3 大地自然の女神たち
 4 自然の霊威を受胎する女たちの物語

3 記紀には何柱の神が登場するのか
 1 豊饒たる神々の世界
 2 名のある神の総数
 3 亦の名、別名の問題
 4 統合する国家の力、逸脱する物語の力

4 高木神論
 1 はじめに
 2 高御産巣日神と高木神
 3 返し矢の話型と弓矢の呼称
 4 高城の神
 5 おわりに

5 土蜘蛛
 1 記紀の土蜘蛛
 2 異境のモノ
 3 異境と王権

第4章 言葉・王権・祭祀の伝承
1 〈チ〉と〈タマ〉の〈モノ〉語り——火遠理命神話の口誦性——
 1 はじめに
 2 語りの文体
 3 〈チ〉と〈タマ〉の〈モノ〉語り
 4 おわりに

2 カシヒ考——仲哀記の神話的モチーフ——
 1 『古事記』の訶志比宮
 2 香椎廟由来
 3 橿原憧憬
 4 おわりに

3 身体と空間の神話学——古事記の「ト」をめぐって——
 1 はじめに
 2 古代飛鳥の空間
 3 身体の境界
 4 神話の空間
 5 事戸、置戸、詛戸
 6 おわりに

4 祭祀の文法——上代語マスについて——
 1 はじめに
 2 神を見る眼
 3 「マス」の視覚
 4 おわりに

5 宴と王権——古事記・日本書紀の事例から——
 1 はじめに
 2 ウタゲとトヨノアカリ
 3 『古事記』の宴
 4 おわりに

6 揺らぎ響とよむ大地——上代日本の共感覚——
 1 〈トヨ〉の世界
 2 ユラ・サワ・サヤの世界

終章 ヤマトタケルの野生と文明
 1 ヲウスの文明
 2 タケルの野生

初出一覧
あとがき
索引
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