• 発売日:2025/09/09
  • 出版社:花鳥社
  • ISBN:9784868030232

読み込み中…

古今集がつなぐ和歌表現史

古今集がつなぐ和歌表現史

通常価格 9,900 円(税込)
通常価格 セール価格 9,900 円(税込)
SALE 売り切れ
  • 発売日:2025/09/09
  • 出版社:花鳥社
  • ISBN:9784868030232
ネットストア在庫 詳細
    読み込み中...
My店舗在庫
    My店舗登録で在庫確認と店舗お受け取りのご利用が可能になります。(要ログイン)
  • 在庫表示のサンプル
商品説明
表現研究の新しい方法論

和歌・日記・物語というジャンルを越えて、さまざまな作品を『古今集』に連なる文学として見つめ直す。
表現の根幹である一つひとつの「ことば」を疎かにせず、作品を精密に読む――そのような古典との向き合い方を実践した到達点!
目次
はじめに―本書の構成と問題意識―

◉Ⅰ 古今和歌集と紀貫之
一章 古今和歌集から万葉集へ―紀貫之を起点として―
 一 本章の課題と方法
 二 『古今集』歌人は『万葉集』を読めたのか
 三 枕詞「鳴神の」と「音に聞く」
 四 「恋ひわたるかな」という類句
 五 歌ことば「逢ふこと……」の成立
 六 「心情→物象→心情」と切り替わる構造の歌

二章 古今和歌集の羇旅歌について―万葉集からの継承と変化―
 一 『古今集』の中の羇旅歌
 二 羇旅歌の要件
 三 羇旅歌の歌人と構造
 四 遣唐使に関わる歌(一)―歴史的背景―
 五 遣唐使に関わる歌(二)―表現の力―
 六 在原業平の新しさと古さ―「唐衣きつつなれにし妻」―
 七 「よみ人知らず」の三首―羇旅歌の空間性―
 八 撰者たちの羇旅歌―後世へと継承されるもの―

三章 土佐日記の亡児哀傷と「都へ帰る女」
 一 本章の課題と趣旨
 二 「女性仮託」について
 三 「亡児哀傷」の記事(一)―船出・羽根―
 四 「亡児哀傷」の記事(二)―忘れ貝・旅の終わり―
 五 『古今集』と『土佐日記』―羇旅歌・業平・「東下り」―
 六 『万葉集』に遡る
 七 「旅をする女」の誕生

四章 土佐日記の海―〈見立て〉と「月」―
 一 『土佐日記』の船旅
 二 美しい海―波を見立てる―
 三 海の広がり―「入る月」と「出づる月」―
 四 海の深さ―〈見立て〉と「映る月」の交響―
 五 海の文学史における『土佐日記』

◉Ⅱ 伊勢物語の世界
五章 伊勢物語の東海道―東下り章段/伊勢斎宮章段―
 一 古代の東海道と『伊勢物語』の「東下り」
 二 「東下り」を読む(一)―中核をなす九段―
 三 「東下り」を読む(二)―そのほかの章段、そして六十九段―
 四 「東下り」の背景にあるもの―東国へと向かう想像力―

六章 伊勢物語の「われから」―二条后章段―
 一 海の生きもの「われから」
 二 「われから」の小文学史―斎宮女御・『源氏物語』・西行法師―
 三 『伊勢物語』の女の「われから」

七章 伊勢物語の「小野の雪」―惟喬親王章段―
 一 平安京の雪/『古今集』の雪
 二 「惟喬親王章段」の春
 三 隔てる雪
 四 「目離れせぬ雪」
 五 包み込む雪

八章 〈距離〉の文学・伊勢物語―芥川そのほか―
 一 『伊勢物語』の〈距離〉の広がり
 二 「東下り章段」と「伊勢斎宮章段」―東へと延びる〈距離〉―
 三 「惟喬親王章段」の南と北
 四 〈距離〉を往復する物語―「二条后章段」(一)―
 五 「芥川」から摂津章段へ―「二条后章段」(二)―

◉Ⅲ 源氏物語の和歌
九章 源氏物語の和歌の諸相―三つの観点から―
 一 本章の課題
 二 作中歌の史的位相(一)―『古今集』を受け継ぐ―
 三 作中歌の史的位相(二)―時代の好尚を先取りする―
 四 引歌の諸相(一)―心中思惟の中で―
 五 引歌の諸相(二)―自然叙述の中で―
 六 引歌の諸相(三)―作中人物に伴って―
 七 作中歌の機能(一)―贈答歌・独詠歌・唱和歌―
 八 作中歌の機能(二)―物語を推し進める力―

十章 独詠歌はどのように詠まれるのか―光源氏の歌を中心に―
 一 作中歌の三分類
 二 「閉じられた独詠歌」と「開かれた独詠歌」
 三 独詠歌を詠む人々
 四 光源氏の独詠歌の検討(一)―巻ごとに見る―
 五 光源氏の独詠歌の検討(二)―羇旅歌的契機―

十一章 源氏物語の中の古今和歌集―引歌を回路として―
 一 『源氏物語』に引かれる『古今集』歌
 二 『古今集』からの引歌を概観する
 三 引歌となる回数の多い歌とは―普遍的な「こころ」と機智的な「ことば」―
 四 哀傷からの引歌―さまざまな悲しみのかたち―
 五 春上からの引歌―梅香の引歌は薫に集中する―

十二章 「紫の上の物語」と古今集恋歌
 一 『源氏物語』の中の『古今和歌集』
 二 『古今集』恋歌の世界
 三 恋の始まり―若紫巻の「ほのかに見る」「声を聞きしより」―
 四 男君の心変わりを嘆く―明石巻・澪標巻の「煙」―
 五 移ろう愛―若菜上巻の「あき」―
 六 紫の上と藤壺宮―恋三の欠落を埋めるもの―

◉Ⅳ 宇治十帖の和歌と物語
十三章 薫が求愛者になるまで―反復する要素と三首の独詠歌―【橋姫巻・椎本巻】
 一 薫とともに宇治十帖に分け入る
 二 若紫巻・明石巻のプロットの継承
 三 反復される四つの要素
 四 異界への移動と物語の始まりを告げる独詠歌
 五 「山おろしに」の歌の表現
 六 彽徊する歌

十四章 薫の恋の「かたち」―「山里のあはれ知らるる」の歌を中心に―【総角巻】
 一 本章の課題
 二 喪失から恋へ
 三 「語りあいたい」という願望
 四 擬似的な逢瀬と後朝の歌
 五 物語の世界を遡る(一)―夕霧巻・賢木巻―
 六 物語の世界を遡る(二)―夕顔巻の「夜明け」―
 七 大君の返歌と結婚拒否

十五章 薫と匂宮、それぞれの「道」―照らしあう散文と歌―【総角巻】
 一 本章の課題
 二 「心もゆかぬ明けぐれの道」―薫の敗北宣言―
 三 「露ふかき道の笹原」―匂宮の懇請―
 四 「空ゆく月をしたふかな」―物語を照らしかえす歌と散文―

十六章 浮舟物語の和歌―作中歌にあらわれる個性―【東屋巻・浮舟巻】
 一 本章の課題
 二 薫の独詠歌三首―宿木巻・東屋巻―
 三 「宇治橋」の贈答歌―薫と浮舟―
 四 「行方知らず」の予感―匂宮と浮舟―
 五 雨の日の贈答歌―薫・匂宮・浮舟―
 六 「末の松山」―浮舟の歌まなび―

十七章 彽徊する薫/流転する浮舟―物語を推し進める力― 【蜻蛉巻・手習巻・夢浮橋巻】
 一 本章の課題
 二 蜻蛉巻・手習巻の時間の構造
 三 蜻蛉巻・四十九日まで―残された男二人の物語―
 四 蜻蛉巻・四十九日以降―薫の新たな物語の可能性―
 五 手習巻の秋―中将の求愛がもたらしたもの―
 六 浮舟の歌(一)―運命を見つめる―
 七 浮舟の歌(二)―幻巻の方法の再現―
 八 「袖ふれし人」は誰か
 九 浮舟と薫―一周忌を契機として動き出す物語―

十八章 浮舟の最後の歌「尼衣かはれる身にや」の解釈― 「や~む」という語法を中心に―
 一 本章の課題と方向性
 二 先行研究の整理
 三 「かたみに袖をかけて」の再検討
 四 係助詞「や」は疑問の意を表わす
 五 いわゆる「不望予想」の歌

十九章 歌ことば「あまごろも」について
 一 本章の課題
 二 手習巻の『竹取物語』引用
 三 平安和歌における歌ことば「あまごろも」の検討
 四 「あまごろも」は浮舟の最後の衣になるのか


初出一覧
あとがき
和歌初句索引
詳細を表示する

カスタマーレビュー

honto本の通販ストアのレビュー(0件)

並び順:
1/1ページ

最近チェックした商品