在地首長制を基盤とする古代律令国家から荘園公領制を基盤とする中世国家への移行期に、国家財政の構造はどのように変化していったのか。統合を果たすための帳簿とその監査をキーワードに、支配システムの変化を考究する。
【目次】
序 章 本書の問題意識
第1部 封戸物徴収制度と財政・税制
第一章 東大寺封戸関係文書に関する二・三の問題
第二章 封戸制再検討の一前提
第三章 僧戒禅書状とその周辺
第四章 東大寺別当覚源と僧念慶
第2部 国家財政と勘会制
第五章 「百姓」返抄の成立と王朝国家
第六章 家産制的勘会の成立と展開
第七章 東大寺文書にみえる封戸催牒の様式について
第八章 返抄の機能と勘会制
第3部 荘園制の成立と国家財政
第九章 民部省勘会の変質と家産制的勘会の成立
第十章 中世成立期の国家と勘会制
第十一章 四度公文・抄帳・結解
第十二章 財政文書からみた中世国家の成立
第十三章 王朝国家期における財政と税制をめぐって
第十四章 平安後期の国家と財政
第十五章 中世的税制への移行
終 章 近年の研究動向に触れて