一 祈りの香り
イメージの記憶/沈水香の漂着/仏教における視感と香り/薬としての役割/光明皇后の施浴伝説
二 薫物の香り――身に纏う香りと六種の薫物
「にほひ(匂)」という感性/黒髪の香り/六種の薫物/あでやかな〈梅花〉/涼やかな〈荷葉〉/ぬくもりの〈落葉〉/「あはれ」の〈侍従〉/凛とした〈菊花〉/強さと美しさの〈黒方〉/〈百歩〉先からの香り
三 五節句の香り
人日の香り/上巳の香り/端午の香り/七夕の香り/重陽の香り
四 色彩の香り
四季の彩り/自己表現としての色――襲/襲の色目の名前/色の匂い
五 恋の香り
平中の想い人・侍従の君/雨の降る夜/可愛さあまって「樋箱簒奪事件」/えもいはず香ばしき黒方の香
六 バサラ・カブキたちの香り
人間五〇年/バサラの誕生――そしてカブキ/同時代の世界の激動/バサラ・カブキを生きる
七 義の香り
幼子のため/友への義/大坂夏の陣に散った伽羅/武士の義
八 理想の香り――伽羅、そしてヘリオトロープ
香道――教養としての香り/宣教師が見た香文化/薬種屋の砂糖漬/最高級の沈香「伽羅」/伽羅の油/花の露/ヘリオトロープとの出会い――新しい時代を象徴する香り