序章 紛争に着眼した平和の人類学に向けて
第1節 本書の目的
1 調査研究の目的
2 「平和」という民俗語彙を考える―本書の着想
3 ソロモン諸島の諸言語にみる「平和」概念
第2節 調査方法
第3節 本書の構成
第1章平和の人類学とメラネシア民族誌
第1節 平和と暴力の研究
1 本書における平和の定義
2 平和の人類学の系譜
3 平和の人類学の到達点と課題
第2節 平和論と交換論の交差点
1 メラネシアの紛争・平和研究
2 ソロモン諸島における贈与交換の機能
第2章ガダルカナル島北東部の民族誌的概観
第1節 調査地概要
1 ソロモン諸島
2 ガダルカナル島
3 ドク社会、ガオバタ地区とタシンボコ地区
第2節 社会構造
1 ケーマとママータ
2 キリスト教
第3節 生計活動
1 自給作物と漁撈、家畜の肥育
2 換金作物の取り扱いと賃労働
第4節 住環境と地理空間
1 住環境、とりわけ小屋に関わる資料
2 地理空間、とりわけ畑に関わる資料
第5節 儀礼や饗宴において重要な価値付けがなされるもの
1 貝貨
2 ブタ
3 木製の黒い器「ポポ」
第6節 地域的な特徴
第3章歴史の中のソロモン諸島
第1節 太平洋戦争以前
1 ヨーロッパとの接触
2 植民地統治時代の政治経済史
第2節 太平洋戦争
1 太平洋戦争に対するソロモン諸島民の関わり方
2 ジェイコブ・ヴォウザ、太平洋戦争の英雄
3 太平洋戦争中のガダルカナル島の人びと
第3節 太平洋戦争後の社会変化
1 ホニアラの建設
2 アブラヤシ・プランテーションの操業
第4節 独立後の政治経済的発展
第5節 ホニアラとガダルカナル島北東部の特殊性
第4章「エスニック・テンション」
第1節 歴史的背景
1 紛争前史
2 「エスニック・テンション」の直接の引き金
第2節 「エスニック・テンション」の経過
1 紛争の勃発
2 紛争の激化
3 マライタ側からの報復
4 和平合意の無力化
5 介入部隊の駐留開始と武力紛争の終息
第3節 「エスニック・テンション」の社会的要因と影響
1 社会的要因
2 「エスニック・テンション」がもたらした影響
第4節 島単位の集団意識の芽生え
第5章 紛争との関わり方
第1節 「エスニック・テンション」の時期区分
第2節 積極的な加担と消極的な関与、否定的な関係
1 ガダルカナル側武装集団の二つの系統
2 積極的に加担した人びと
3 消極的に関与した人びと
4 否定的な関係を取り結んだ人びと
5 ガダルカナル島北東部における生存戦略
第3節 紛争を(やり)過ごす方法
1 マライタ系住民たち
2 紛争渦中を過ごす
第6章 紛争処理の多様な試み
第1節 伝統的な紛争処理
1 コンペンセーションとは何か
2 独立後のさまざまなコンペンセーション
3 諸事例の比較検討
4 なぜ中央政府に対して要求するのか
第2節 国家主導の紛争解決
1 伝統的和解儀礼
2 国民統一・和解・平和省
第3節 国際社会による紛争解決への関与
1 国際的な無関心
2 太平洋島嶼社会による介入
3 ソロモン諸島地域支援ミッションの派遣
第4節 さまざまな次元における紛争処理のあり方
第7章 和解と関係修復へ向けて
第1節 真実委員会
1 紛争処理としての真実委員会
2 真実和解委員会における文化的要素の取り扱い
第2節 ソロモン諸島真実和解委員会
1 設立の背景
2 真実和解委員会の活動
3 証言聴取という活動
第3節 真実委員会と在来の紛争処理の緊張関係
1 ソロモン諸島における在来の紛争処理と文化的規範
2 TRCの証言聴取が直面した困難
3 証言聴取活動と文化的規範との競合を乗り越える工夫
4 二つのコンペンセーションの捉え方
終 章 平和生成の共時的・通時的分析
第1節 前章までの要約
第2節 平和と紛争の動態的関係
1 紛争という日常と避難行動―平和と紛争との共時的な関係
2 紛争解決のダイナミズム―平和と紛争との通時的な関係
第3節 日常的な平和生成
あとがき