- 発売日:2026/09/17
- 出版社:慶友社
- ISBN:9784874492635
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会津農書と民俗-記録・伝承・民具ー
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商品説明
本書は、民俗学者の佐々木長生が、半世紀を超える研究生活で書き留めた300本超の論考のうち、著者が研究の拠り所とした『会津農書』関連の珠玉の18編を選び出し、『会津農書と民俗―文献・伝承・民具―』として一冊にまとめました。民俗学、歴史学、農業史の研究者はもちろん、会津地方の歴史文化に関心を持つ多くの人への必読の書です。福島県浜通りの農家に生まれ民俗学を学んだ著者は、後輩の博物館実習の激励を兼ねた挨拶に猪苗代町の会津民俗館を訪ね、それを機に学芸員として会津の民俗研究に専念する「会津人」となりました。挨拶に行ったその日に館長に民俗調査に連れて行かれ、就職が決まったといいます。磐梯山を仰ぐ猪苗代湖周辺は、かつて胸まで浸かる湿田が広がり、奥会津と呼ばれる山間部では焼畑が行われていました。会津地方と一口にいいますが、東京都や神奈川県の2倍以上の面積を有する広大な地域です。盆地も山間部もある雪深いフィールドには多様な暮らしがありました。
会津民俗館で研究を深めた著者は、論文「会津地方における近世農具―絵画・文献資料を中心に―」で、日本民俗学会第1回研究奨励賞(1981年)を受賞する栄誉を得ます(本書に収録)。文献と絵画を駆使し農具の変遷を明らかにした画期的論文と評価され、以来、40年以上にわたって『会津農書』に取り組んできました。
著者が研究の拠り所とした『会津農書』は、若松城下に近い幕内村の肝煎佐瀬与次右衛門が貞享2年(1684)に書き上げたものです。日本最古の農書『清良記』から50年遅れるものの、全国的に著名な宮崎安貞『農業全書』よりも13年早い刊行であり、全国的にみても最古級に属する農書です。与次右衛門は、幕内村で農業実践をしながら『会津歌農書』『会津幕之内誌』を著し、娘婿の林右衛門は『会津農書』に学びつつ、野菜類を中心とした『幕内農業記』を書き上げました。そこには会津地方の伝統野菜についての記述も出揃い、現代版の都市近郊農村の野菜供給地とのあり方を300年前に考案・実践していた様子が生き生きと描かれています。『会津農書』は単なる農業書ではありません。年中行事、衣食住など細かな記述に満ち、300年以上の時を経てなお現代にも通じる暮らしの百科事典、優れた生活マニュアルであるといえます。著者はそれら一連の著作を打ち出の小槌として総合的研究を深めました。
著者が研究を深めたナンバと呼ぶ湿田用の田下駄や、焼畑地帯でアワの収穫に使用する穂刈り具に関する論文は、考古学や民族学系の研究者の注目を集めました。著者の研究は、民俗学や民具学の範疇に留まらず、現代の話題にも関わりながら常に新しい視点を生み出しています。その結果、民俗学や民具学の研究者はもちろんのこと、農業史、近代史、地域史、観光学といった幅広い分野の人たちが著者の論文を参照してきました。
民俗学や民具学に携わる人はもちろん、地域の歴史、伝統野菜などに関心を持つ人にも読んでいただきたい一冊です。
会津民俗館で研究を深めた著者は、論文「会津地方における近世農具―絵画・文献資料を中心に―」で、日本民俗学会第1回研究奨励賞(1981年)を受賞する栄誉を得ます(本書に収録)。文献と絵画を駆使し農具の変遷を明らかにした画期的論文と評価され、以来、40年以上にわたって『会津農書』に取り組んできました。
著者が研究の拠り所とした『会津農書』は、若松城下に近い幕内村の肝煎佐瀬与次右衛門が貞享2年(1684)に書き上げたものです。日本最古の農書『清良記』から50年遅れるものの、全国的に著名な宮崎安貞『農業全書』よりも13年早い刊行であり、全国的にみても最古級に属する農書です。与次右衛門は、幕内村で農業実践をしながら『会津歌農書』『会津幕之内誌』を著し、娘婿の林右衛門は『会津農書』に学びつつ、野菜類を中心とした『幕内農業記』を書き上げました。そこには会津地方の伝統野菜についての記述も出揃い、現代版の都市近郊農村の野菜供給地とのあり方を300年前に考案・実践していた様子が生き生きと描かれています。『会津農書』は単なる農業書ではありません。年中行事、衣食住など細かな記述に満ち、300年以上の時を経てなお現代にも通じる暮らしの百科事典、優れた生活マニュアルであるといえます。著者はそれら一連の著作を打ち出の小槌として総合的研究を深めました。
著者が研究を深めたナンバと呼ぶ湿田用の田下駄や、焼畑地帯でアワの収穫に使用する穂刈り具に関する論文は、考古学や民族学系の研究者の注目を集めました。著者の研究は、民俗学や民具学の範疇に留まらず、現代の話題にも関わりながら常に新しい視点を生み出しています。その結果、民俗学や民具学の研究者はもちろんのこと、農業史、近代史、地域史、観光学といった幅広い分野の人たちが著者の論文を参照してきました。
民俗学や民具学に携わる人はもちろん、地域の歴史、伝統野菜などに関心を持つ人にも読んでいただきたい一冊です。
目次
はじめに 会津の民俗に学ぶ
序 説 会津農書の世界
会津の民俗に学ぶ
序 説 会津農書の世界
第一項 『会津農書』の民俗学的研究法
第二項 『会津農書』の出現背景と民俗
第三項 『会津農書』にみる農業観
―在地農法の形成過程―
第一編 稲作と農具
第一章 会津地方における近世農具
―絵画・文献資料を中心に―
第二章 『会津農書』にみる代掻きの民俗
―馬鍬を中心に―
第三章 福島県内の湿田農具―田下駄を中心に―
第四章 『会津農書』にみる
調整・選別用具の発達過程
第五章 ユリオケの使用方法と機能の変遷
―農具から祭祀具へ―
第二編
芸能と儀礼
第六章 福島県内における近世の拍子田と太鼓田
―『会津農書』の拍子田と田歌を中心に―
第七章 『会津農書』にみる農耕儀礼
第三編
会津の畑作民俗
第八章 『会津農書』からみる火耕
第九章 奥会津の穂摘み具―コウガイの分布と系譜―
第十章 菜圃場の成立
第十一章 畑作物と伝統野菜
第四編 会津の衣食住
第十二章 『会津農書』にみる食と住生活
第十三章 『会津農書』にみる粮菜作と粮菜貯
―在地農法の一環としての「食物助成」―
第十四章 会津地方における木綿栽培と普及過程
―『会津農書』と風俗帳を中心に―
第十五章 『会津農書』にみる麻の栽培と民俗
第十六章 『会津農書』にみる仕事着
第十七章 福島県内における火伏せの呪物
第十八章 土座生活と箱床
・解題
・著者目録
序 説 会津農書の世界
会津の民俗に学ぶ
序 説 会津農書の世界
第一項 『会津農書』の民俗学的研究法
第二項 『会津農書』の出現背景と民俗
第三項 『会津農書』にみる農業観
―在地農法の形成過程―
第一編 稲作と農具
第一章 会津地方における近世農具
―絵画・文献資料を中心に―
第二章 『会津農書』にみる代掻きの民俗
―馬鍬を中心に―
第三章 福島県内の湿田農具―田下駄を中心に―
第四章 『会津農書』にみる
調整・選別用具の発達過程
第五章 ユリオケの使用方法と機能の変遷
―農具から祭祀具へ―
第二編
芸能と儀礼
第六章 福島県内における近世の拍子田と太鼓田
―『会津農書』の拍子田と田歌を中心に―
第七章 『会津農書』にみる農耕儀礼
第三編
会津の畑作民俗
第八章 『会津農書』からみる火耕
第九章 奥会津の穂摘み具―コウガイの分布と系譜―
第十章 菜圃場の成立
第十一章 畑作物と伝統野菜
第四編 会津の衣食住
第十二章 『会津農書』にみる食と住生活
第十三章 『会津農書』にみる粮菜作と粮菜貯
―在地農法の一環としての「食物助成」―
第十四章 会津地方における木綿栽培と普及過程
―『会津農書』と風俗帳を中心に―
第十五章 『会津農書』にみる麻の栽培と民俗
第十六章 『会津農書』にみる仕事着
第十七章 福島県内における火伏せの呪物
第十八章 土座生活と箱床
・解題
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