自治体の環境行政は経済と調和できるのか――。環境部門で仕事をしたことがある自治体職員なら必ず考えてみたことがあるだろう。
「経済振興の視点をより重視すべきだ」。「行革を進めなくてはいけない中で、環境に費やす予算はない」。従来、自治体の庁内調整の場ではこんなやり取りが行われてきた。
近年は、自治体総合計画にSDGsの視点を取り入れたり、環境、経済、社会の統合的向上がいわれたりするようになり、経済の制約としての環境という見方は減ってきた。むしろ、環境を前面に押し出しながら、政策が構築されていくことも多くなっているようである。
本書は、こうした環境と経済の関係について、廃棄物処理施設の建設、環境に配慮した電気の調達、レジ袋の有料化義務化、太陽光発電設備設置の義務化という自治体環境行政の具体的な事例を取り上げ、指定都市を中心に分析を行っている。
中央地方関係として行政計画や補助金等を用いた国による緩やかな誘導とともに、環境行政手法として自主的手法等を用いた誘導が行われているとする著者。本書は、公害行政にみられる直接規制とは異なる論点を提示している。