エリザベス・ボウエンは1899年、ダブリンに生まれる。アイルランドで生まれながら、人生の大部分をイギリスと海外で過ごすアングロ・アイリッシュとして生涯を送った。彼女は古い伝統に忠実で、1959年まで、コーク州にある実家の大邸宅ボウエンズ・コートを維持すべく努める。この家は1776年に建てられ、ウェールズ出身のボウエンの祖先が、アイルランド遠征におけるクロムウェルへの貢献に対する報酬として譲り受けて以来、一族が所有してきたものだったが……。
心理描写に定評のある小説家ボウエンが、アイルランドの複雑で悲劇的な歴史を17世紀まで遡り、自身の家族の来歴を綴る、比類なき年代記(クロニクル)。