• 発売日:2025/04/10
  • 出版社:三元社
  • ISBN:9784883036080

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日台のはざまの引揚者たち

日台のはざまの引揚者たち

通常価格 4,180 円(税込)
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商品説明
台湾から30万以上の日本人が引揚げた。それから80年近く経った今でも、当時を記憶し、「故郷」台湾を想う引揚者がいる。台湾引揚とは何か? 台湾側の視点、沖縄出身者の境遇も踏まえ、その経験に迫る。

目次
編者序文
台湾引揚研究を俯瞰する   林 初梅
各地からの引揚者と台湾引揚者   所澤 潤

│第1章│ 引揚の前夜― 日台史料からみた台湾引揚者の戦後処遇  林 初梅
│第2章│ 八重山と蘇澳・南方澳― 石垣市『市民の戦時戦後体験記録』をひもとく   松田 良孝
│第3章│ 引揚を見送った台湾の人たち   所澤 潤
│第4章│ 台湾における日本人引揚者雑誌『新聲』について  黄 英哲
│第5章│ 『全国引揚者新聞』に見る台湾引揚者の戦後初期― 戦前の経験をどう生かすか  顔 杏如
│第6章│ 女性引揚者を可視化する― 沖縄の台湾引揚者を中心に  野入 直美
│第7章│ 台北帝国大学教授・楠井隆三の引揚と戦後   黄 紹恒
│第8章│ 湾生・女性・スポーツ― 溝口百合子と一九五四年マニラアジア大会  菅野 敦志
│第9章│ 植民地・引揚の記憶をめぐる日台の相互性― 花蓮港中学校同窓生の事例から  石井 清輝
湾生が語る引揚体験― インタビュー記録


      
目次
編者序文
台湾引揚研究を俯瞰する   林 初梅      001
各地からの引揚者と台湾引揚者   所澤 潤      008

│第1章│ 引揚の前夜   林 初梅      013
      ─― 日台史料からみた台湾引揚者の戦後処遇
  はじめに 013
一 台湾引揚者の概況 015
二 日僑管理委員会による日本人送還作業の流れ 017
三 日本人留用者子女の学校 024
四 各時期引揚の状況とその事例 030
  おわりに 036

│第2章│ 八重山と蘇澳・南方澳    松田 良孝      043
      ─― 石垣市『市民の戦時戦後体験記録』をひもとく
  はじめに 043
一 沖縄ではない石垣島・八重山 044
二 境域の引揚 047
三 石垣・八重山への台湾引揚 050
四 『市民の戦時戦後体験記録』 054
五 台湾側出発港の依存度比較 059
  むすび 060
資料一 『市民の戦時戦後体験記録』が収集項目の参考事例として挙げている項目 061
資料二 沖縄への台湾引揚において、台湾のどの港を使用したかを分析する際に用いた記録の一覧 063

│第3章│ 引揚を見送った台湾の人たち    所澤 潤      073
  はじめに 073
一 引揚者がいた場  076
二 見送った日本人を回想する 079
三 それぞれの再会 095
四 送り出した側の気持ち 103
五 二二八事件による台湾社会の変化、そして現在へ 106
  おわりに 109

│第4章│ 台湾における日本人引揚者雑誌『新聲』について   黄 英哲      113
一 日本人引揚者雑誌『新聲』 113
二 台湾における魯迅の受容 120
三 抄訳版「藤野先生」をめぐる議論 126
  おわりに 135

│第5章│ 『全国引揚者新聞』に見る台湾引揚者の戦後初期   顔 杏如      141
      ─― 戦前の経験をどう生かすか
  はじめに 141
一 『全国引揚者新聞』に関して 144
二 内容に見る戦後の関心 147
三 戦前の経験を生かす 149
  結びに代えて 155

│第6章│ 女性引揚者を可視化する   野入 直美      163
      ─― 沖縄の台湾引揚者を中心に
  はじめに 163
一  引揚体験の語りにおける偏り 165
二  見えにくい女性引揚者の階層性 168
三 試論―女性引揚者の職業移動分析 171
四  女性の就業の幅を狭めたもの―離島からの若年台湾渡航 175
五 台湾で働く沖縄女性にとっての〈自助〉、〈共助〉と〈公助〉 178
  結びに代えて 182

│第7章│ 台北帝国大学教授・楠井隆三の引揚と戦後   黄 紹恒      187
  はじめに 187
一 台北帝大から離れる  189
二 関西学院大学への就職 196
  おわりに―台湾遥想 203

│第8章│ 湾生・女性・スポーツ   菅野 敦志      211
      ─― 溝口百合子と一九五四年マニラアジア大会
  はじめに 211
一 台湾生まれの溝口百合子 ―砲丸投げ・円盤投げで銅 213
二 師・児島文の「児島道場」での修行生活とアジア大会の出場権 216
三 スポーツと女子教育に生きた溝口百合子 219
四 一九五四年の大会にみる〝日本〟の爪痕―団長・田畑政治の証言 222
五 一九五四年『報告書』にみるフィリピン兵の〝克日〟エピソード 225
六 一九六三年に再登場する語り―「戦争責任の所在」から「鎮魂と再生」へ 227
  むすびにかえて―戦後を生き抜いた「湾生」選手と帝国日本からの連続性の視座 230

│第9章│ 植民地・引揚の記憶をめぐる日台の相互性   石井 清輝      239
      ─― 花蓮港中学校同窓生の事例から
  はじめに 239
一 花蓮港中学校と同窓会の概要 240
二 日本人同窓生の記憶の物語―植民地・戦争・引揚 242
三 台湾人同窓生・台湾社会の記憶の両義性―その同一性と異質性 251
四 台湾の「他者性」に向き合う日本人同窓生 255
  おわりに 259

湾生が語る引揚体験      269
─― インタビュー記録

あとがき   石井 清輝      308

執筆者紹介      315
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