「スペイン絵画」が“かたち”となる四世紀にわたるプロセス。それは長く、変化に富み、必然的にダイナミックな歴史だった。
強烈な独自性をもつものと、今日ではだれも疑わないスペイン美術。その伝統の形成過程を美術についての著作、画家たちの実践、展示空間という三つの事象に注目することで明らかにする。
プラド美術館主任学芸員が問うスペイン絵画の本質。
目次
口絵
日本語版への序文 7
序文 15
1 起源 一六〇〇~一七二四年 23
理論家と作家 25
コレクションの展示空間 75
伝統を求めて 93
2 啓蒙主義 112
様々な美術論 113
芸術の実践と展示の戦略 146
3 十九世紀 可視性と魅惑 171
プラド美術館とスペイン絵画 174
セアン以後 212
鏡のごときベラスケス――スペイン絵画に向かい合うスペイン人画家たち 233
4 二〇世紀 領域の拡大 250
コシーオとエル・グレコ 251
中世絵画 260
表舞台に出るボデゴン 265
内戦後の美術に関する歴史記述に見られる国家理念 279
訳者解説 295
第1章前半解説 十七世紀スペインの画家たちをめぐる状況と自意識 坂本龍太 296
第1章後半解説 美術理論と十七世紀後半の絵画コレクション 木下亮 308
第2章解説 啓蒙の世紀における歴史の形成とその担い手たち 増田哲子 314
第3章解説 プラド美術館――二世紀にわたる視覚の記憶 木下亮 326
第4章解説 「スペインなるもの」への眼差し――本質主義的解釈をめぐる議論 稲葉友汰 334
訳者あとがき 木下 亮 344
―――
註 1
訳者解説註 28
訳者あとがき註 38
参考文献 39
人名索引 57