土佐の貧しい漁師の子として生まれ、漂流の果てにアメリカへ渡ったジョン万次郎。
樽廻船の少年として海に出て、異国で教育を受け、やがてジョセフ・ヒコと名乗ることになる彦蔵。
幕末という激動の時代を「漂流民」という立場から生き抜いた二人の日本人。
これは、そんな二人の生涯を通して、日本が世界と向き合わざるを得なかった瞬間を描き出した一冊。
鳥島に漂着し、アメリカ捕鯨船に救われた万次郎は、異国で学び、航海術を身につけて帰国する。
だが彼を待っていたのは、踏み絵や取り調べ、そして「アメリカの味方ではないか」という疑念だった。
それでも幕府に呼ばれ、重臣たちの前で世界を語る――頼られながら排される、その運命はどこへ向かうのか。
一方の彦蔵もまた漂流の末に渡米し、教育を受け、大統領に会った最初の日本人となる。
帰化し、再び日本へ戻った彼は、祖国と異国のはざまで揺れながら日米を結ぶ役割を担っていく。
二人の選択は、幕末という時代をどう動かしたのか。
条約の裏側にいた“人間”を描いた、歴史解説にとどまらない読み応えある幕末ノンフィクション。
※この書籍は2020年に出版された『アメリカに救われたジョン万次郎とアメリカ彦蔵:開国前夜、世界を見てきた日本』のリニューアル版です。