私たちは、自分のことをどれほど知っているのだろうか。
日常を生きる「私」の背後で、気づかぬうちに働いているものは何なのか――。
長年にわたり「こころ・からだ」に困難を抱える人々と向き合ってきた臨床心理士である著者が、「〈私〉とは誰なのか」という根源的な問いを臨床の現場から見つめ直した一冊。
本作では特に、日常の意識では捉えきれない「私ならざるもの」――無意識の働き――が、かたちをもって現れてくる場として「夢」に着目。臨床心理の場で出会ったクライエントの夢を検討する一方、川上弘美『真鶴』や芥川龍之介『歯車』、さらには諫山創の人気漫画『進撃の巨人』、そしてユングの「自己(セルフ)」概念などあらゆる素材を手がかりに、意識と無意識、私と私ならざるものとの終わりなき関係性を丁寧に描き出していく。
臨床心理に関わる人、夢と心身の関係に関心をもつ人、そして「私とは何者か」という問いに向き合わざるを得なくなった、すべての読者に届ける一冊。
※この書籍は2022年に出版された『自己実現と心理療法 : 夢による〈私〉の探求【電子書籍版】』のリニューアル版です。