「あのとき、助けてほしかった」
子どもの頃を思い出しては、そんな風に感じることがないだろうか。
家庭や学校でつらい経験をしながらも、いつか自分が誰かの支えになれたら――そう感じている人にこそ読んでほしい一書。
児童相談所の心理判定員として、そして退職後はスクールカウンセラーとして、計60年にわたり子どもたちと向き合ってきた著者の回想録。不登校、非行、DV、ネグレクトなど、厳しい現実に直面する子どもや保護者と向き合い続けた日々を振り返る。
著者自身もまた、貧困と視覚障がいという「生きづらさ」を抱えて育った一人だった。孤立や屈折を経験したからこそ、傷を抱えた子どもの痛みを見過ごせなかった。
子どもたちの声をひたすら聞き続け、時に親に寄り添うなかで著者が確信したのは、支援とは特別な技術ではなく、「本気で向き合う姿勢」から始まるということであった。
児童福祉や教育の道を志す人、現場で迷っている人、そしてかつて傷を抱えた子どもだった大人へ。次の一歩を後押ししてくれる一冊。
※この書籍は2022年に出版された『夜をあゆむ:聞いて、悩んで、児童に寄り添った60年』のリニューアル版です。