はじめに
第1章 世界文学になった「海辺のカフカ」
第2章 日本の作家イメージを大きく変えた村上春樹
1 早寝早起き
2 マラソンランナー
3 文学賞の選考委員にならない
4 純文学とポップ・カルチャーの境界をなくした
5 公共の場に出ない
6 海外市場で大成功を収めた
7 アメリカ文学を血肉としている
第3章 村上春樹の精神形成をたどる
1 小学校低学年の頃
2 十代の頃
3 中学二年の頃
4 15歳の頃
5 大学生の頃
6 ジャズクラブを経営していた頃
7 デビューした頃
第4章 登場人物たち
1 田村カフカ
1の2 カラスと呼ばれる少年
2 ナカタサトル
3 佐伯さん
4 星野青年
5 大島さん
6 さくら
7 田村浩一
8 ジョニー・ウォーカー
9 カーネル・サンダーズ
10 岡持節子
11 ネコたち
第5章 時代背景について
1 地下鉄サリン事件
2 神戸連続児童殺傷事件
第6章 物語の基本構造
1 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』との関係
2 フランツ・カフカ
3 オイディプス神話
第7章 作風の転換と継承
1 文壇での孤立
2 自我のすっ飛ばし
3 デタッチメントからコミットメントへ
4 三人称を使った最初の長編
5 変らぬ「謎めいた物語」
6 音楽の多用
第8章 これまでの主な作品論
沼野充義/河合隼雄/加藤典洋/小森陽一/黒古一夫/川村湊
児童文学としての「海辺のカフカ」
第9章 なぜ高松へ行くのか
1 讃岐と村上春樹
2 『雨月物語』との関係
3 大江健三郎との関係
第10章 高松のどこが出てくるか
図書館/神社/神社の橋/神社の洗面所/小さな祠/コンビニ/うどん屋
ビジネスホテル/体育館
第11章 父の呪いと村上春樹
第12章 ビルドゥングス・ロマン(成長物語)としての「海辺のカフカ」
第13章 「悪」について
第14章 カフカ少年の本名は?
あとがき——ノーベル文学賞の可能性
引用・参考文献