記録されていることの意味を探る
「本阿弥行状記」(以下「行状記」)がどういう意図から書かれたのかは諸説があります。
「行状記」の素材となった事象は、光悦などの残した備忘録(メモ)や、その時々の筆録者自身が光悦などから見聞した事柄を聞き留めた話などで、上・中・下の三巻、三八〇段に及びます。
「行状記」の本篇は上巻ですが、中・下巻では世間の出来事や習俗など、本阿弥家の枠に収まらない幅広い対象が取り上げられており、それ自体ひとつの歴史叙述と言いうるものです。
「行状記」の三巻が、それぞれどのような性格を帯びているのか、さらに無秩序で幅の広い(雑多な)三八〇段について全体として分析を試みようと考えました。
最終的に辿り着いたのが、国立国会図書館分類表でした。これに倣い「行状記」を分類することで、「行状記」の性格が見えてくるように思えます。