熊楠研究 第14号

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熊楠研究 第14号

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商品説明
 南方熊楠(1867~1941)は博物学・民俗学・植物学における近代日本の先駆者的な研究者です。十数年にわたってアメリカ、イギリスを舞台に研究生活を送り、人文・自然科学にこだわらず森羅万象あらゆるものを記録するスタイルで研究を続けました。帰国後もイギリスの科学雑誌『ネイチャー』や『ノーツ・アンド・クエリーズ』に投稿を続け、また柳田国男らとともに神社合祀反対運動・自然保護活動に力を注いだほか、後に中村元や鶴見和子らに「南方マンダラ」と呼ばれた熊楠思想は独特な魅力にあふれ、熊楠を研究する人々は現在も増え続けています。
 『熊楠研究』は熊楠に関係する未発表の論考を収める年1号発行の研究書で、熊楠研究の分野において最も権威のあるシリーズとして高く評価されています。

〈第14号 特長〉
★特集「腹稿の謎を探る」
 熊楠が記述する前に、大きな紙に、学問的な発想や参考文献を書き混んでいたものを「腹稿」と呼びます。縦横無尽に書かれている様はまさに熊楠ワールドです。熊楠の肉筆資料の研究が進み、さまざまな記述の翻刻作業が進んでおり、ついに熊楠資料の中でも最難関とされてきた腹稿も解読がはじまりました。今号では、百数十点以上とされる腹稿について、現存状態と全体像を示すほか、熊楠の「十二支考」の内の第一作目である「虎」などについて多角的に研究した5本の論文を掲載します。
 松居竜五「腹稿の謎を探る」
 平川恵実子「南方熊楠の腹稿の現存状況について」
 田村義也「南方熊楠「腹稿」は、いつ頃から作成され始めたのか」
 松居竜五「虎に関する腹稿の解読」
 志村真幸「虎の腹稿における田辺抜書の利用」 
 司 志武「南方熊楠の識緯的知識について」

★三村宜敬「南方熊楠と本山桂川の交流」
 本山桂川が大正14年に出版した『与那国島図誌』は与那国島についての最初の民俗調査報告書であり、当時の民俗学会で特筆される成果でした。民俗学黎明期における研究者として、本山と熊楠は研究の同志として交流していました。しかしその後、2人の関係は悪化し、交流が失われることについて、明らかにしていきます。

★岸本昌也「幻の徳富蘇峰宛書簡」(資料紹介)
 熊楠筆の投函されなかった未完の書簡があります。冒頭が欠けていますが、長さ2メートル75センチ、337行、一万字超のこの書類が徳富蘇峰宛てであることをつきとめ、解説し、翻刻文を掲載します。

その他
目次
1−特集 腹稿の謎を探る
腹稿の謎を探る  松居竜五
南方熊楠の腹稿の現存状況について  平川恵実子
南方熊楠「腹稿」は、いつ頃から作成され始めたのか  田村義也
虎に関する腹稿の解読  松居竜五
虎の腹稿における田辺抜書の利用-『太陽』掲載版への採用数の少なさを中心に  志村真幸
南方熊楠の識緯的知識について-中国類書『淵鑑類函』の利用を中心に-  司 志武

2−論文
南方熊楠と本山桂川の交流 -『土の鈴』から『南方閑話』へ-  三村宜敬
南方熊楠のジャイナ教理解と評価  宇野智行

3−研究ノート
南方熊楠と長野県内の研究者たちの交流について
-胡桃沢勘内、矢沢米三郎との関わりを中心に-  一條宣好
日記と書簡にみる熊楠と庭の植物との関わり
-「ゴジカ(午時花)」の事例を通じて  大内規行
南方曼陀羅に至る課程-「神跡考」に「名」と「印」の萌芽を読み解く  大和茂之
南方熊楠自筆の新史料である和歌山県の神社合祀についての建議案草稿  武内善信
在英時代初期の南方熊楠と比較宗教学
-熊楠の英文資料の扱い方の問題点について-  嶋本隆光

4ー資料紹介
幻の徳富蘇峰宛書簡-南方熊楠の情報戦略の一側面  岸本昌也
南方熊楠書簡資料 日野国明来簡(大正二年) 郷間秀夫・岸本昌也・千本英史・川島昭夫 編

5−書評
伊藤慎吾・飯倉義之・広川英一郎『怪人熊楠、妖怪を語る』  鈴木正崇
中沢新一『レンマ学』  小田龍哉
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