月とともだちになりたかったきつね
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空から月を連れてきた、ひとりぼっちのきつねの物語。孤独と愛おしさ、そして本当の「つながり」を優しく描いた心に深く染み入る海外創作絵本です。物語の舞台は、森のみんなが静かに眠る、とても月のきれいな夜。ひとりぼっちのきつねは、夜空に浮かぶ美しい月を見上げ、「あの月と友達になりたい」と強く願います。そしてなんと空から月をとり、自分の家へと連れて帰ってきてしまうのです。家の中に月を迎え入れたきつねは、大喜びで月を大歓迎します。一緒のベッドで眠り、美味しい料理を振る舞い、楽しい絵を描いて見せたりと、友達として精いっぱいの愛情を注ぎお世話をします。しかし、いくらきつねが話しかけたりおもてなしをしても、月はただ黙ってそこにいるだけ。言葉を返してはくれません。一方、月が消えてしまった外の世界は真っ暗闇に包まれてしまいます。静かでどこかユーモラス、それでいてちょっぴり切ないきつねと月の一方通行な共同生活は、やがてお互いにとって、そして世界のあり方にとって大切な変化を迎えることになります。本作の最大の魅力は、イラン出身の作家アナヒタ・テイムーリヤーンによる、異国情緒あふれる美しい挿絵です。独特の色彩感覚とノスタルジックで温かみのあるタッチが、物語のファンタジーな世界観を完璧に表現しています。この絵本は、子どもたちにとっては「寂しいきつねが月と過ごす不思議なファンタジー」として楽しめますが、大人が読むとさらに深いメッセージを受け取ることができます。相手を好きだからといって、自分の手元に縛り付けることが本当の愛なのか。相手にとって一番輝ける場所はどこなのか。そんな「本当の友情」や「相手を思いやる愛の形」をシンプルなストーリーを通して静かに問いかけてきます。親子での読み聞かせはもちろん、ちょっぴり心が乾いてしまった大人のヒーリング本としてもおすすめしたい1冊です。
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