隔離の文学 増補新装版

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商品説明
ハンセン病者への隔離政策が確立する1930年代から、軍靴響くアジア・太平洋戦争期を経て、民主主義を謳歌する1950年代まで――この激動の時代に、病者自身が描いた文学作品を研究・考察した10章に、新たに1章を増補しました。
ハンセン病者たちは、自分たちを抑圧し、抹消しようとする社会風潮や国家権力と、いかに向き合ってきたのか。また逆に、どのような言葉を駆使して抗してきたのか。
本書は、終生隔離という極限状況に置かれた者が、いかにして「抑圧された生命を生きる意味」を紡ぎだすのかという問いに挑みます。
目次
はじめに 短くて長い助走のために
1、「文学」の資格
2、「隔離の文化」
3、各章の構成

第1章 隔離する文学ーー「癩予防協会」と患者文学の諸相
1、はじめに
2、療養所における文学の誕生
3、患者を誘う言葉
4、隔離の自画像
5、結びにかえて

第2章 「断種」を語る文学ーーハンセン病患者の文学にみる優生思想
1、はじめに
2、園内結婚と「断種」
3、「癩予防協会」募集原稿に見られる「断種」観
4、戦後文学に見られる「断種」観
5、結びにかえて

第3章 〈身振り〉としての「作家」――北條民雄の日記精読  
1、はじめに
2、二冊の日記
3、療養所の変化と知識人
4、〈身振り〉としての「作家」
5、強くて弱い自己 
補節、「相談所患者」という存在


第4章 「癩」の「隠喩」と「いのち」の「隠喩」――北條民雄「いのちの初夜」と同時代
1、はじめに 
2、「癩文学」の季節
3、「文学そのもの」という価値観
4、「いのちの初夜」読解
補節、戦後から見た北條民雄

第5章 御歌と〈救癩〉――近代皇族の文学はいかに問い得るのか  
1、はじめに
2、両大戦間期の皇室変容と隔離政策  
3、貞明皇后と〈救癩〉 
4、御歌と神格化
5、患者たちの御歌
6、結びにかえて 

第6章 「病友」なる支配――小川正子『小島の春』試論  
1、はじめに
2、長島愛生園と「家族主義」 
3、隔離政策と天皇制
4、小川正子と「病友」
5、結びにかえて

第7章 ハンセン病患者の戦争詩(前編)――近くて遠い詔勅  
1、はじめに
2、「十二月八日」の自画像 
3、ハンセン病患者の語り

第8章 ハンセン病患者の戦争詩(後編)――隔離の中の〈大東亜〉 
1、「真珠湾」への夢  
2、引け目と逆接の自己
3、遥かなる〈大東亜〉 
4、沈黙という詩

第9章 「療養文芸」の季節ーー〈弱さ〉の自画像
1、はじめに
2、「患者運動」と「療養文芸」
3、「病室」という名の監房
4、「卑屈感」と沈黙
5、「オリオンの哀しみ」読解
6、結びにかえて

第10章 文学が描いた優生手術ーーハンセン病患者は「断種」をいかに描いてきたか?
1、はじめに
2、戦前・戦後の状況ーー「癩者」から「人間」へ
3、戦後文学の中の「断種」ーー「人間」という規範
4、自己卑下の中の「反抗」ーー「断種」を描いた詩作品
5、結びにかえてーー更なる課題へ


第11章 ハンセン病療養所の性的少数者——船城稔美論 【増補】
1、はじめに  
2、再検討すべき自説——優生手術を描いた文学 
3、公表された「事実」 
4、詩人・船城稔美の生涯
5、一九五〇年代の優生手術
6、詩「無精卵」再読——「異質さ」の所以は問えるのか
7、結びにかえて
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