第二次世界大戦後、東西の国家に分断されたドイツ。1990 年の再統一によって消滅したドイツ民主共和国(東ドイツ)で女性が写真
家としてキャリアを形成し、自身の芸術表現としても優れた作品を手がけたことは、ドイツ写真史において近年まで見過ごされてき
ました。
この度ベルリンの現代美術コレクターであるスヴェン・ヘアマン氏のヴィンテージ・プリント・コレクションを中心に、当時から現在まで重要な作家として活動する15 人の女性写真家を紹介する展覧会が開催されます。
本書は、日本で初めて公開される旧東ドイツの女性写真家たちの作品の数々をあますことなく収録した展覧会公式図録です。
主に出生順に作品を収録、東ドイツ時代の刊行物などの参考資料、また、展覧会キュレーターであるキャンディス・M・ヘムリンと、三本松倫代による論考など、多角的に読み解くことで見えてくる、
かつて存在した国で社会と日常の光景に注がれた繊細な視線と確かな技術、それらの作品が果たした役割を考えます。
出品作家
ティーナ・バーラ Tina Bara(1962–)/ クリスティーネ・ベッカー Christine Becker(1956–)/ ジビレ・ベルゲマン Sibylle Bergemann(1941–2010)/ クリスティアーネ・アイスラー Christiane Eisler(1958–)/ マーギット・エムリッヒ Margit Emmrich(1949–)/ エーファ・マーン Eva Mahn(1947–)/ ウーテ・マーラー Ute Mahler(1949–)/ エリザベート・マインケ Elisabeth Meinke(1937–2006)/ ヘルガ・パリス Helga Paris(1938–2024)/ エフェリン・リヒター Evelyn Richter(1930–2021)/ グンドゥラ・シュルツェ・エルドヴィ Gundula Schulze Eldowy(1954–)/ マリア・ゼフツ Maria Sewcz(1960–)/ ガブリエレ・シュテッツァー Gabriele Stötzer(1953–)/ ブリギッテ・フォイクト Brigitte Voigt(1934–2025)/ レナーテ・ツォイン Renate Zeun(1946–)
⚫︎本展キュレーターによる論考を収録
キャンディス・M・ヘムリン(ラインベックハレン財団アーティスティックディレクター)
三本松倫代(神奈川県立近代美術館主任学芸員)