スティーヴンソンの欧州カヌー紀行

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『宝島』や『ジキル博士とハイド氏』などの作品で知られるイギリスの作家スティーヴンソン。
 その未来の世界的ベストセラー作家が、まだ無名だった若き日――、好奇心旺盛で、冒険やキャンプなどのアウトドア大好き青年だったころの、時代の最先端をいくセーリングカヌー(ジョン・マクレガー考案のロブロイ・カヌー)を用いた川旅紀行。
 ヨーロッパの大河を上流に向かって必死に漕いだり、スリル満点の急流下りを楽しんだり、風がよければ帆走したりと、鉄道や馬車など普通の旅行手段ではとうてい味わえないスリルや緊張感や楽しみに満ちた冒険の旅。
 スティーヴンソンは、晩年(というか、四十四歳で逝去したので、短すぎるその人生の後半)、転地療養に適した土地を探した末に、南太平洋のサモアに妻と移り住み、その地で没しました。
 本書の後半には、サモアに移住したスティーヴンソンの晩年を描いた中島敦の『光と風と夢』も収録。
 中島敦は、気管支ぜんそくの転地療養をかねて西太平洋パラオの南洋庁に勤務した経験があり、スティーヴンソンには大いに共感するところがあったようです。
 名著『山月記』の虎になった主人公にも、『光と風と夢』のスティーヴンソンにも、三十三歳で夭折することになる中島敦自身の強い自己投影が感じられます。
目次
はじめに
スティーヴンソンの欧州カヌー紀行
現代表記版 光と風と夢(中島敦)
訳者あとがき
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