1859(安政6)年の開港によって、横浜は西洋の文化・技術・情報が行き交う国際都市となりました。外国人を描き、日本の風景や人々を描く。異なる文化が互いを見つめるなかで、新たな絵画表現が生まれていきます。
本図録では、チャールズ・ワーグマンや初代五姓田芳柳をはじめ、横浜で活動した画家たちによる肖像画、風俗画、水彩画を中心に紹介し、近代日本洋画の黎明から「横浜絵」の成立と展開をたどります。
さらに、明治期に横浜で広がった水彩画や、輸出工芸の下絵制作にも目を向け、従来の「横浜絵」という枠組みからこぼれ落ちていた多様な造形活動を捉え直します。昨今、知られるようになってきた画家や作品、また、近年注目される笠木治郎吉も含め、横浜を舞台に展開した美術と文化のダイナミズムを豊富な図版と論考で紹介。「横浜絵」は一つのジャンルなのか、それとも時代と場所が生み出したイメージなのか。本図録は、その問いから横浜絵の知られざる姿に迫ります。