ひかりの残像をかかえ
言葉を濾過するように
静かに息づく自然の官能への眼差し、その密やかな喜びから生まれた20篇。
四半世紀にわたり書き継がれてきた詩作の営み、第4詩集
装幀=清岡秀哉
混乱し《性格をはずして
方位がずれて《いくつかは器からこぼれ
時差をなおして《左右にちらばり
静止する《ふり落ちるそのとき
子葉は殻にまもられ 眠りに集中する
葉ずれのかけひきはないだろう
同種のものどうし
重力のひずみを分かちあい
まったく それぞれが個として
ほんのすこし 闇のなかで動くことができる
(「夜の胡桃」より)