9号の巻頭を飾る写真家は、90年代以降の日本写真史に衝撃を与えた伝説の写真集『生きている』が今年30年の時を経て復刊される佐内正史。岡本太郎の未発表作の複写と全国に点在するオブジェを訪ね歩く「雷写」と近作「Strong Memory」を往還する新作「オレの素」を掲載。合わせて飯沢耕太郎が聞き手を務める佐内正史ロングインタビューを収録。
そのほかの口絵作家は、竹沢うるま、上原沙也加、野村恵子、元田敬三、齋藤陽道。
対談連載「金川晋吾のあの人に会いたい」第3回ゲスト笠原美智子。
ロングエッセーは、都築響一「写真が「作品」から解放されるとき」、佐藤正子「まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険」、飯沢耕太郎「飯田幸次郎――“幻の写真家”の再出現」。
「現実とイメージの境界が揺らぐ現在、写真は何を引き受けるのか。本号に収められた写真家たちの実践は、既存の形式や価値に回収されることなく、言葉以前にある不可視の現実を可視化しています。異なる時間や記憶、現実の断片が交差し、像として立ち現れてくる。過去は現在において更新され、現在は未来へと開かれていく。その重なりを引き受けることが、本誌の役割であると考えています。」(巻頭言より引用)