■「施設の看護師って?」
他職種との感覚の違い、人間関係も難しい…でも大好きな高齢者を守っていきたい。
いろんな葛藤を繰り返し経験していくうちに、病院とは違う看護師としての役割がわかり可能性が広がり“やりがい”に変わっていきました。不安に思っている方々が少しでも安心できるように、一歩でも前に進めるようになればいいなと思っています。
●本書には二つの特徴があります。
1つ目の特徴は、
全国高齢者施設看護師会のポリシーである皆様と同じ現場からの発信であること。
真鍋哲子さんが、21年間の施設での現場経験で得た実践哲学、活動のキモ、活動の実際を実に詳細に生き生きと書いてくださいました。
2つ目の特徴は、
施設看護師の初心者と、豊かな経験のある施設看護師のどちらにも有用であることです。『真鍋さんだからできるよね』で終わりません。それは真鍋さんがなぜできるようになったのか、その詳細が明らかにされているからです。
真鍋さんの最大の魅力は実際に出会った人はご存知のとおり「巻き込み力」です。読むことで『最初の一歩を踏み出せば可能性が見つかるよ』と真鍋さんが背中を押してくれ、『続けていけばやりがいができるよ、一緒にがんばろう』と真鍋さんが伴走してくれます。
また、本書を読み進めていただくと、単なる方法論ではないことに気づかれると思います。方法をあてはめるのではなく、一人ひとりが自組織のチームでアレンジして取り組んでいく必要性がわかるでしょう。人間関係の構築、チームづくり、多職種との連携、それらを可能にする実践力を「巻き込み力」から、ぜひ学びとってください。
施設看護師は求められる役割が多様であるがゆえに、ぶつかる壁が必ずあります。大小の壁をどう乗り越えたのかが本書の随所にあります。真鍋さんの実践を読んでいただくことで勇気づけられることと思います。まず壁ととらえること、そして実践しながら振り返り、自身の思考を拡大することで壁を乗り越えていけるでしょう。
●本書のつかいかた
初めて施設看護師について知るには、上巻の最初から読むことをお勧めします。真鍋さんの言葉で実際の流れが書かれていますので、施設看護師の実践をつぶさに学ぶことができます。今から施設看護師を目指す学生や看護師は、真鍋さんの実践を追体験することができます。そして、自分もやってみようと思えることでしょう。また、経験豊かな施設看護師の方は、それぞれ関心のあるところから読み進めても 納得できることと思います。読みながら振り返ることができるようにワークを取り入れています。ぴんときたタイトルの章を読んでいただき、新たな気づきを得てください。下巻の実践編は、ご自身の実践の振り返りに大いにご活用ください。そして、明日からの実践に役立ててください。また管理職の方は、新任スタッフの教育や多職種へ施設看護師の役割を説明する機会にぜひご活用ください。