ソーシャルワークとアブダクション

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商品説明
横浜市のソーシャルワーカーとして31年勤務したのち、50代で大学の教員となった著者。ワーカー時代、経験や勘を科学的ではないものとし、客観性、エビデンス、普遍性を重視するソーシャルワーク理論にもやもやとした思いを抱えながら過ごしてきた。教員になってからもその思いは消えず、実践を理論から解放したい、だが経験主義だけに陥りたくないという葛藤を抱え、それを理解し、導いてくれる知を求めて、哲学、思想、社会学などさまざまな文献を読み、共同研究にも加わり、本も書いてきた。そしてめぐりあったのが「アブダクション」と「未来志向の知」という考え方だった。この論理こそが、ソーシャルワークの経験を励ますものだと著者は確信を深め、さらに思索をつづけてまとめたのが本書。看護学、臨床心理学、医療人類学まで関心を広げながら、熟慮し洞察し、推論を重ねて実践するソーシャルワークの力と役割を示す。
目次
第1章 過去志向の知から未来志向の知へ

最終講義/研究に対する予感/二つの知/看護研究と未来志向の知/ソーシャルワークという未来志向の知/ソーシャルワークを導く知

第2章 アブダクションを知る 

ソーシャルワークの洞察と推論/アブダクションという常識知/普遍性、客観性、一般性を手放す/「新しいソーシャルワーク」の古さ/アブダクショ
ンという「安らぎ」――乳児を殺めた女子大生/帰納的方法とアブダクション/帰納法と「実践的推論」/仮説的飛躍と創造的推論/経験を記述する

第3章 ソーシャルワークという思考のフレーム
 
理論から逃れる/実践感覚とソーシャルワーク/「事例を通して学ぶ」/事例とは何か、事例化の構造/事例がはらむ思考/シンボリックな相互作用としての実践/ソーシャルワークの経験を記述する/実践から経験という共同性に向かう/ソーシャルワークというフレーム

第4章 「ゆらぐ」ことの力

ソーシャルワークのリアリティと「ゆらぎ」/「ゆらぎ」という自己組織性との遭遇/尾崎新の「ゆらぎ」論/ソーシャルワークの曖昧性/M氏に関する
エスノメソドロジー

第5章 看護とソーシャルワークのアポリア 

共に働く/ソーシャルワークと看護/ゲーリー・ロルフの看護学の視点/看護とアブダクション/ベナーの5段階モデル/ソーシャルワーカーの成長
/ロルフのベナー批判と熟達/熟達者と実践共同体
/看護とソーシャルワークの重なり/デューイが結ぶ看護とソーシャルワーク/「ヴェブレンの取引」

第6章 心理臨床から相談という実践へ 

臨床心理学で見つけたアブダクション/心理臨床とソーシャルワークの距離/構築論的ヘルスケアとソ
ーシャルワーカー/「他者のナラティヴに介入する
実践群」/相談という構築論的ヘルスケア/クルターからローティへ/電話相談のディレンマ/聴くという実践と臨床哲学/聴くこととは何か/臨床哲学の使い方

第7章 ソーシャルワークと医療人類学―『ヴィータ―遺棄された者たちの生』

遺棄するということ/「ヴィータ」とソーシャルワーカー/社会的精神病という病/ソーシャルワーカー・ダヴヴァのことば/ソーシャルワークと精神
医療/『ヴィータ― 遺棄された者たちの生』から考えるアブダクション/「医学モデル」と「生活モデル」/ビールが導くソーシャルワークの知

終 章 ソーシャルワークという「動く知」 

ブトゥリム再読/ジェネラリスト・ソーシャルワークの問い直し/「科学とアート」/ソーシャルワークと科学/アートという言葉 219 /「芸と術の間」にあるもの/ソーシャルワークと「動く知」
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