全体の導入解説
ゲームの誕生と変遷をたどる回想・評論、異世界や現代を舞台にした四つの物語、ダイスで分岐する一人用ゲーム、日常に遊びを見いだすエッセイを収録。異なる形式を通して、遊びの歴史、創作、実践を多角的に扱う第4号。
1.西谷史「女神転生の誕生(2)」
悪魔をAIとしてコンピュータへ召喚する設定、郷里の神道文化とイザナミへの思い、仏教の転生譚や各地の神話に見いだした共通性を回想。鈴木敏夫らとの編集会議を経て『女神転生』と『デジタル・デビル・ストーリー』の題名が決まるまでを作者自身が語る。
2.六角陣平「戦略シミュレーションゲーム『大戦略』 原点回帰を経てSSB2の新生へ」
『現代大戦略』から『大戦略SSB2』まで、システムの品質問題、更新対応を資料と筆者のプレイ所感から検証。要素を削って原点へ戻ったSSBと戦略性を再構築したSSB2に、シリーズ再生の道筋を読む。
3.R・F・オクタヴェル「石の下の呼吸 シェスール島地下遺跡第一次調査記録」
冒険者リースは、同行者2名とシェスール島の未調査洞窟を踏査する。地下通路の奥で四至宝を思わせる台座、閉ざされた石扉、設備を起動する球体を発見。古代文明と至宝の起源をめぐる謎を描く。
4.朝裏刻「コロン:ゲームの向こうで恋をした」
ゲームの少女コロンに心を奪われた会社員の蒔田は、彼女と同じ顔を持つ少女に出会い恋人になる。しかしゲームの購入記録はなく、次々と不可解なことが起こる。現実と虚構の境界が崩れ、恋が異様な計画へ接続していくSF小説。
5.上琴透「希望岬へ続く道 1人用ダイス・ノベルゲーム」
七人の巡礼者と森林案内人を捜し、全員の安全を確保する1人用ゲーム。プレイヤーは各所で手掛かりを集め、雨の大森林で進路と救助方法を選ぶ。選択とダイスで分岐し、到着の速さより危険の中で何を守るかが問われる。
6.川上大典「思い出に耽るにはまだ早い」
高校生の有河セナは、友人の尾崎由梨奈と学校近くの喫茶店を訪れる。店主・美夏が語るのは、いじめ、家出、両親のもとへの帰還、娘・春日の誕生まで。美夏の過去と由梨奈の初恋の記憶を通じ、苦い経験を抱えながら現在とその先を生きる人々を描く。
7.柴崎銀河「ルナー誕生 三日月を選んだ自動人形」
目覚めた自動人形は、創造主ゼノビアの工房で人の言葉や暮らしを学び、銀の三日月を自ら選んで「ルナー」の名を得る。命令に従いながらも自分の能力を隠したルナーは、危険な実験事故を契機に、創造主との関係と自らの意思を問われる。
8.延岡佑里子「生きることは遊び!『遊びフィケーション』のススメ」
日常の行為や出来事に自分なりのルール、観察を加え、成果だけでなく時間そのものを面白がる「遊びフィケーション」を提案。避けにくい作業に遊びを加え、日常から遊びを見つけ、成果を求めない好奇心を残す、という三つの角度から具体例と留意点を示す。