• 発売日:2025/05/19
  • 出版社:花鳥社
  • ISBN:9784909832719

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古代和歌の構造

古代和歌の構造

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商品説明
古代人がもつ表現に対する意識を明らかにする。

万葉集から平安初期の和歌にかけて、序詞、縁語、掛詞の表現やその変遷を分析し、古代における修辞意識の具体像を示す。
上代文献に描かれる生と死、夢、禁忌や俗信などについても考察し、作品の中で背負う機能から、当時の人々の言葉や概念に対する意識の問題に迫る。

万葉集、古今集、後撰集、拾遺集を対象にした「序詞一覧」を収載。
目次
凡例

序章
第一節 本書の意義
第二節 研究史と本書の立場
 一 枕詞と序詞の混淆
 二 序詞の分類の方法
 三 掛詞をめぐる諸問題
第三節 本書の構成と各章の位置づけ

第一章 序詞の構造分析と表現性
第一節 古今和歌集の序詞
 一 受け継がれゆく修辞
 二 序詞の構成要素
 三 物象の優位性について
 四 万葉集序歌における心物両叙述の関係
 五 古今集序歌の心物の結束力
 六 同音異義的掛詞による連結
 七 古今集序歌と六歌仙二重文脈歌
 八 「古」歌と「今」歌
第二節 心物対応構造の変質と序詞
 一 心物対応構造の変質
 二 初期万葉序歌の作為的構成
 三 人麻呂序歌の功績
 四 寄物陳思歌及び巻十における序詞表現
 五 鄙の地で詠う序歌
 六 揺らぎ始めた物象の力
 七 古今集への道筋
第三節 同音反復式序詞にみる表現の変遷
 一 同音反復式序詞とは何か
 二 序詞の変遷
 三 表象性を抱える物象
 四 古今集の序詞表現
 五 同音反復式序詞における「古」と「今」
 六 後撰集から浮かび上がる古今集の採歌基準
 七 同音反復式序詞に求められる当代性
第四節 同音反復式序詞の手法——地名反復と地名連鎖をめぐって
 一 地名を反復する序詞の表現性
 二 地名反復の序詞と地名に連鎖する序詞——万葉集
 三 地名反復の序詞——古今集
 四 地名に連鎖する序詞——古今集
 五 序詞の構造に見る地名の作用
第五節 序詞形式を支える知のありよう——平安初期和歌を中心に
 一 〈地名重畳型序詞〉について
 二 万葉集に見る表現様式
 三 平安初期の晴の歌、褻の歌
 四 古今和歌六帖歌の検討
 五 叙述性の有無と連結方法の関係
 六 歌らしさとは何か
 七 新しい世界の地名表現

第二章 修辞技法としての掛詞の展開
第一節 万葉集の掛詞
 一 掛詞の萌芽
 二 音の連鎖という様式
 三 万葉集における含蓄型掛詞
 四 譬喩歌の分析
 五 縁語群と掛詞
第二節 掛詞の表現構造
 一 修辞技法としての掛詞
 二 序詞から掛詞へ
 三 掛詞式序詞の成立
 四 譬喩歌の二系対比構造
 五 漢字表記と寓喩表現
 六 平安期の掛詞表現
 七 修辞成立の契機
第三節 古今和歌集巻十の演出する物名歌
 一 物名技法のルーツ
 二 誹諧歌の特徴
 三 物名歌が詠まれる場
 四 巻十所収歌の作歌の経緯
 五 古今集が作り上げる物名のイメージ
 六 巻十という舞台

第三章 様式に導かれる作品理解
第一節 袖返しと夢
 一 袖を返す人々
 二 「袖返し」の目的
 三 俗信の成り立ち
 四 「袖返し」が再現するもの
 五 独り寝の型
 六 「袖返し」と夢
 七 恋歌の様式から見る「袖返し」表現
第二節 ホトを負傷する女神
 一 箸墓伝承の特異性
 二 ホトの損傷
 三 女陰の力
 四 羞(はぢみ)せられ怒る女神
 五 古代死生観の一面——箸墓伝承から
第三節 記紀にみる死の意味
 一 日本神話における死の描写
 二 女神が分泌するもの
 三 「屎」について
 四 大地母神の役割
 五 「穢」によって繋がる生と死
第四節 風土記伝承が語る禁忌——「知る」ことの意義
 一 風土記に求められた機能
 二 今に続く禁忌伝承
 三 「知らぬ」ではすまされない——交通妨害神
 四 窟の怪
 五 安定した統治を導く禁忌伝承

資料篇 序詞一覧(万葉集/古今集/後撰集/拾遺集)

初出一覧
あとがき
索引(歌番号/人名・事項)
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