フィランソロピーは、垣根を越え、社会を編み直す力となっていくのか。そして本当に、支援は必要な人に届いているのか。本書は、「相互関係性」や「社会的包摂」の視点から、フィランソロピーを単に善意の行為としてだけではなく、社会変革を導く営みとして再考する。渋沢栄一や稲盛和夫の職業倫理、マックス・ヴェーバーの思想を手がかりに、ケイパビリティ・アプローチやユーザー中心デザインの視座を交えつつ、その現代的意義を問い直す。誰が、なぜ、どのように、そして誰のためにフィランソロピーを行うのか──行為主体、資源配分、正当性の構造に焦点を当て、国内外の研究者との対話や、ソーシャルビジネス、災害支援の実践知を通じて、分断と希望の狭間にある「支えること」「つながること」の意味を探る。ソーシャルビジネスに関心のある学生、実務家、研究者、またビジネススクールで学ぶ社会人にとって、社会と向き合うための思考の礎となる一冊。