野菜師

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商品説明
卓越した技術で真夏にホウレン草をつくり、市場の最高価格を誇っていた男、高知県の葉野菜農家が主人公。彼はある日、野菜の「おいしさ」はどこからくるのか?という疑問につきあたる。生食できる赤軸ほうれん草をきっかけに葉野菜生食ブームの一翼を担った、葉野菜農家の潮江旬菜・熊澤秀治氏(高知市)の独自農法「アミノ酸マジック」とは何か? 野菜を微生物がおいしくするメカニズムとは?

また、彼は、それまでゆでて食べるのが当たり前だったトウモロコシの「完全生食」に挑戦する。人気が高まり、東京の百貨店で2026年現在1本1600円にもなった「生でも食べられる」ではなくて「生で食べるための」トウモロコシ。これまで秘密にしていた葉野菜やトウモロコシの栽培技術と、熊澤氏の周りで次々に起こる事件とは?

物語の横軸には作家・宮尾登美子さんと世界的な植物学者牧野富太郎博士ゆかりの幻の土佐在来野菜「牧野野菜」発見のドラマがある。謎のアブラナ科野菜「潮江菜」、山内家の殿様が食べていたという曲がった大根「山内家伝来大根」、黄緑で太いキュウリたち、大型のカブ、数々の豆類など...。失われた野菜との突然の再会から小学生との食育まで、農家や⻘果関係者のみならず、料理人や学生、食に興味のあるすべての方に読んでいただきたい本。ストーリーはドラマチックだが、すべて実話である。

農業と野菜、⻘果流通や市場と野菜、小売業と野菜、飲食店と野菜、メディアと野菜、在来野菜と普通の野菜、小学生と野菜、サイエンスと野菜、野菜にまつわるさまざまな関係を主人公の物語を通じて描いていく。土佐の偉人たちにも愛されていた幻の野菜を、25年探し続けた主人公は果たして見つけることができるのか? 野菜のために生きる男の半生を描くノンフィクションストーリー。

本書は2024 年にAmazon KDP から発表した作品を新装・追補し、書籍JAN コード版として出版するものです。
目次
第1章 野菜でてっぺんをとる
うしおえかぶを求めて
てっぺんはどこだ
土を設計する
品種と栽培品種
春菊の川へ投げ捨て事件

第2章 微生物が野菜をおいしくする
植物は水を吸うか
栽培データをください
臭化メチル禁止の影響で

第3章 アミノ酸マジック誕生
ホウレン草は生食できない?
シュウ酸値を調べろ事件
有機肥料と無機肥料
アミノ酸マジック

第4章 トウモロコシは野菜?
飲食店へ売り込め!
未知なる植物トウモロコシ

第5章 サラダ野菜か、あるいは生野菜か?
生野菜は食べなかった日本
農業はエンジニアリング

第6章 めんどくさい一匹狼たち、集まる
商談会バックレ事件
農家の選抜メンバー霜月会
伊勢丹バイヤー、路電にはさまる

第7章 味を評価するのは誰だ?
単独峰な名人たち
顔の見えるトウモロコシ

第8章 ホウレン草の根圏パラドックス
菌根菌は共生しない?
分子調理学の時代

第9章 大地の料理人たちの冒険
百貨店催事デビュー
大雪の東京で大冒険
朝どれ空輸はじまる

第10章 カブかツケナか潮江かぶ
サラダセット誕生
うしおえかぶ、なのか?

第11章 種子が、あった!
牧野富太郎博士の弟子
宮尾登美子とうしおえかぶ

第12章 託された謎
種子を検証する
チームマキノ結成
謎解きの始まり

第13章 多摩川の土手と寒椿
牧野野菜の伝承と形質
東京に残した宿題

第14章 在来野菜は渡来野菜?
伝統野菜か在来野菜か
だれが種子を守れるか
昔の農法と現代の農法

第15章 畑と食卓のあいだの人々
牧野野菜サポーターズ
小学生と初月ナス
牧野野菜の東京進出

第16章 小学生、伊勢丹へ行く
高知の夜の街
野菜の街、秋葉原
在来野菜は売れるか?
俺たち売り切ろうぜ
値決めできる小学生

第17章 トウモロコシが出荷できない
伝え続ける一匹狼
品種が廃番になるだけで
潮江菜の学術調査

図版資料
参考文献
あとがき
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