司法の場で明らかにされた福島第一原発事故、被ばくの実態がここにある。
『あしたのジョー』の巨匠・ちばてつや氏も、子どもたちの未来を思い裁判に並走し続けた。なぜ国は、司法は子どもたちを被ばくから守らなかったのか?
東電・福島第一原発事故から15年。
福島では、子どもたちを被ばくから守ろうと立ち上がった親たちがいた。「避難の権利を認めてほしい」「安全な環境で学ばせたい」。その切実な願いは、なぜ司法に届かなかったのか。
本書は、「子ども脱被ばく裁判」を軸に、原告、弁護士、日本全国の支援者たちの証言を通して、事故後の日本で何が起きていたのかを記録した一冊である。大量の放射性物質が放出された場合に周辺環境の放射性物質の大気中濃度が予想できる「SPEEDI」のデータが隠蔽された事実。被ばくの被害を抑える安定ヨウ素剤が配られなかった衝撃。被ばくの許容量を福島だけ原発事故前の20倍にされた不条理。いち早く福島で根拠のない安全キャンぺーンを行った専門家たち ―― 。 これらの明らかにされてこなかった被ばくの実態、情報隠蔽、行政の責任を追及する。「あきれ果てても、あきらめない」と声を上げる人々の裁判とその闘いは、二度と同じ過ちを繰り返させないという切実な願いとともにこれからも続く。