原発事故裁判において、原告としての原発事故被害者による切実な訴えにまったく耳を貸さず、完全無視した裁判官による屁理屈、非論理性、論点ずらしの判決と驚くべき日本司法の実態!
それらを東京大学原子力工学科で学び、経済産業省に勤務した著者が、さわやかさすら感じさせる論理的かつ明快な批判により、明らかにする。
判決を出した裁判官の実名も明らかにして、記録性も高めた。
「まえがき」より
本書では、原発事故による被災者と、事故を起こした東電との間で争われている裁判を扱っています。そのなかには、事故に対する国と自治体の責任を問う裁判もあります。
これまで出ている判決の多くは、被災者側が敗訴しています。
最初から読者に偏った印象を与えることは避けなければなりませんが、被災者側が敗訴した判決には、どう考えても合理的ではないところがあります。
なぜ、裁判官が理性を失って、不合理な判決を書くのだろうか―この疑問が、この本を書くきっかけになりました。
追いつめられると理性を失って合理的な判断ができなくなるのは、日本のいわゆる指導者層に戦前から連綿と続く宿痾だと考えていましたが、それが原発事故を担当する裁判官にも当てはまるようです。
理性を失うと、あとは感情に任せるしかありません。本書では、そのような裁判官が書いた判決文を多数載せています。
判決文は難しいと思われるかもしれませんが、論理を追うことができれば、難しい文書ではありません。ただし、本書で取り上げた判決文は、被災者敗訴の結論を出そうとして裁判官が様々なレトリックを使っているので、論理を追えないところがあると思います。
結論を先走ったまえがきになってしまいましたが、文は人なり、と言います。本書で多くの判決文を引用したのも、そこに裁判官の感情がにじみでていると思うからです。