本書は、百余年にわたる東洋学の発展と変遷を辿りながら、東西文明の相互作用が生み出した豊饒な知の体系に迫ります。中世の眠りにあった西洋に対し、早くから光輝いていた東洋文明。そして近代以降、西洋の科学技術の躍進が生んだ文明の逆転──そうした歴史の流転の中で、「東洋」とは何か、「西洋」とは何かという問いが、単なる地理的区分を超えて揺らぎ続けてきました。本書は、制度・歴史・文化・思想など多角的視点から、固定観念にとらわれない新たな東西観を提示し、その研究方法としての東洋学の意義と可能性を丁寧に描き出します。
変わりゆく世界の中で、揺れ動く東西の境界線を見つめ直したいすべての読者にとって、格好の一冊となるでしょう。