旅行記から見た近代日本人の山東体験

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商品説明
本書は、近年注目を集める「周辺から中国を見る」というアプローチに立脚し、日本人の視点から近代中国、特に山東地域に対する認識を多角的に考察した研究書である。筆者の博士論文を基礎に、明治から昭和初期にかけて日本人によって記された山東旅行記を詳細に分析し、日本の対中認識の形成過程とその政策的含意を解明する。

本書は全11章で構成され、序章では問題意識と研究方法を明示し、山東旅行の歴史的背景と主要な旅行記の流れを概観する。続く第1章から第4章では、根津寅虎、宇野哲人、桑原隲蔵、徳富蘇峰といった個人に焦点を当て、それぞれの山東体験と認識を分析する。第5章・第6章では、上海東亜同文書院の学生による山東調査を通じて、継続的な日本の中国観察の一端を明らかにする。さらに第7章から第10章では、泰山・曲阜といった文化遺産に対する日本人の関心に着目し、斉魯文化を含む山東地域像の再構築を試みる。

本書は、日本の対中政策における文化的背景の理解に資するとともに、日本による中国侵略の批判的再考や、山東地域像の国際的理解の深化にも寄与しうる。歴史学・東アジア地域研究・文化交流史など多領域にとって意義深い一冊である。
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