自分の親がいつまでも生きていて、会話や触れ合うことが出来たら、どんなに幸せだろう?自分が、理想の容姿、理想の体型で死の恐怖を感じずに永遠に生きられたらどうだろう?グルメや旅行、コスメ、エステ、スポーツなどが無料で無制限に楽しめたらどんなに良いだろう?いつでも、いつまでもゲームや動画鑑賞、SNSが出来たらどうだろう?そんな生活のために、現実空間で今やるべき事はなんだろう?そんなことを考えさせる、哲学的SF作品。
「もしも、肉体の死を迎えても今の生活が永遠に続けられるとしたら——?」科学捜査官の村瀬孝明は、不可解な遺体遺棄事件の捜査を通じ、天才脳外科医・西園寺教授らが極秘裏に進める「心の転移」という究極の医療技術の存在を知る。それは、人間の意識や記憶をコンピュータへ移し、現実空間と変わらぬ五感や喜怒哀楽の感情、思考能力を保ったまま仮想空間で生き続けさせる技術だった。この技術を開発した科学者、それを守ろうとする科学者・・ある日、平凡な親子を突然、悲劇が襲う。この親子の運命は「心の転移」技術でどのように展開していくのだろうか。効率ばかりを追い求め、人間をも超える自律型AIまで開発してしまった現代社会。日本がそして世界が、今なすべき事はさらなる効率的社会の発展か?過度な科学技術の発展や、無駄に命を奪う戦争がもたらす地球環境の破滅的悪化は可逆的か?自律型AIとの戦いに、人類になす術はあるのか?医療崩壊、介護崩壊は「心の転移」技術で止められるのか?現代社会が抱える問題に鋭くメスを入れるSFエンターテインメント。