最北の陸奥国に造営された陸奥国分寺・陸奥国分尼寺が、蝦夷と呼ばれた人びとの住む社会とどのようなかかわりをもって成立したのか、そして存続したのか、文献史料とともに遺跡の調査成果に基づいて、その実態の解明を試みた画期的な書。
そして、陸奥国の国分二寺の造営が朝廷の辺境政策の一端でもあることから、その前後の施策をとおしてみえてくる律令国家の軌跡を、蝦夷社会の安定を優先した融和策と、武力を背景として支配領域を拡大する強硬策が交互に繰り返された地域史として、仙台平野の阿武隈川以北の人びとの視点から読み解いている。