人間関係の悩みは、どうすれば手放せるのか。
親との確執、夫婦のすれ違い、職場での孤立、友人との距離感――。私たちが抱える悩みの多くは、人との関わりの中から生まれます。しかし、人は誰とも関わらずに生きることはできません。大切なのは、人間関係を避けることではなく、正しく整え、育てていくことです。
本書では、お釈迦さまが約2600年前に説いた『六方礼経』をもとに、人づき合いを円満に育くむ智慧を、大愚元勝和尚が現代の暮らしに即してわかりやすく紐解きます。
『六方礼経』では、私たちを取り巻く大切な人間関係を、6つの方角にたとえています。
東は「親と子」
南は「師と弟子」
西は「夫と妻」
北は「友人同士」
下は「雇用主と従業員」
上は「宗教者と信者」
それぞれの関係は、どちらか一方の我慢や献身だけで成り立つものではありません。互いに果たすべき務めがあり、敬意を払い、支え合うことで、はじめて健やかな関係が育っていきます。
親への恩をどう受け止めるか。夫婦のすれ違いをどう整えるか。信頼できる友と、離れるべき相手をどう見分けるか。部下が力を発揮できる職場をどうつくるか。そして、迷ったときに何を心の拠りどころとするのか――。
さらに、人間関係を壊す言動や心の乱れを生む原因、信用や財産を失わないための心得など、日々の判断に役立つ具体的な教えも紹介します。
人は、無数の縁によって成り立っています。本書は、相手を思い通りに変えるための本ではありません。まず自分の心と言葉、行いを整え、すでにあるご縁を見つめ直すための一冊です。
家庭、職場、地域など、あらゆる人間関係に悩む現代人へ。人と関わる苦しみを、人と生きる喜びへと変えていく、仏教の実践的な智慧をお届けします。