カフェやホテル、オフィスからコンビニエンスストアまで、もはや日本人の日常に欠かせないコーヒー。飲み方も飲む場所のスタイルも世界で最も多様ともいわれるのが日本のコーヒー市場で、そのコーヒー文化の発展を支えてきたのがコーヒーマシンの普及と進化です。アメリカのドリップコーヒー、ヨーロッパのエスプレッソコーヒーそれぞれが独自に広がり、交わることでコーヒーマシンビジネスも大きく広がりました。本書は50年に及ぶ日本のコーヒー文化の歴史と、変化の転機となったコーヒーマシン100年の歴史をヨーロッパ、アメリカ、そして日本のプロフェッショナルたちの視点から描いた『コーヒー・マシン・クロニクル -コーヒー文化を変えたプロフェッショナルたち』(雑誌『珈琲時間』の別冊/大誠社/2017年6月号増刊)の続編です。前作では、帝国ホテルにはじまり、新幹線、空港、マクドナルド、コンビニエンスストアなど、コーヒーが日本での存在感を爆発的に広げていく様とコーヒーマシンの役割を描き、欧州やアメリカでは、それぞれのコーヒー文化の有り様と意味を探りました。そこでたどり着いたのが、コーヒーがもたらす、ゆとりある時間と生活の豊かさの源泉ともいえる価値。コーヒーもコーヒーマシンビジネスも豊かな未来を切り開いていくはずでした。ところが5年後、2020年からはじまるコロナ禍でコーヒー業界も先を見失うことになります。本書は、コロナ後に差した光を追って立ち上がり、新たな未来を切り開こうとするコーヒーマシンのプロフェッショナルたちの姿を、世界各地の現地取材から描き出します。ハイエンドのエスプレッソマシンから、シンプルシティを極めるドリップマシン、環境問題に取り組む焙煎機まで。今、コーヒーを愛するすべての人々とコーヒーマシンビジネスに携わるプロフェッショナルの皆さんに、あらためてその歴史と意義、役割を伝え、再びコーヒー文化に新しい色を灯す道標となることを願っています。