「お客さまが求めているのはガスそのものではなく、便利な暮らしではないのか」——
そんな思いから生まれたブランド「Gas One」は、LPガスを軸に電気・水事業へと展開し、サイサンを総合エネルギー企業へと押し上げた。
本書は、戦後の家庭用燃料として普及したLPガスが都市ガスやオール電化に押される中、逆境を跳ね返し成長を遂げたガスワングループと、三代目社長として企業をリードし25年10月にグループの会長となった川本武彦氏の挑戦を描いた一冊。
地域主権を尊重しながらM&Aで全国展開を進め、東日本大震災ではLPガスの強みを活かして被災地支援に奔走。2020年の“電力ショック”では創業以来初の赤字を経験するも、電力部門はグループ売上の25%を占めるまでに回復した。
「現状維持は後退である」——
川本氏の言葉通り、海外展開と多角化を加速させ、創業100周年に向けて売上1兆円という果敢な目標を掲げるガスワングループの姿勢は、人口減少社会における希望の光となるかもしれない。
私たちの暮らしを支えるエネルギーの裏側には、こうした企業の不断の努力がある。
その歩みから、日本企業の生存戦略と未来へのヒントを見出してほしい。