相次ぐ危機でEUのあり方が問われる現在、欧州統合に関する理論的議論が改めて注目されている。本書では、1950年代の古典的理論から昨今の複合危機やウクライナ戦争を受けての論争に至るまでの統合理論の系譜・要点を整理し、その研究の全体像を捉え直す。そして、統合の過程で形成されてきた統治体制の構造・機能、正統性などを様々な角度から分析。「前例なき政体EU」に国際政治学と比較政治学から理論的に迫りつつ、両分野が交錯する領域に新たな論点を切り拓く。EU研究の第一人者たちによる欧州政治研究必携の書。
【主な内容】
第Ⅰ部 系譜と見取り図
第1章 欧州統合理論の源流(中村英俊/早稲田大学教授)
第2章 欧州統合理論の系譜(武田健/青山学院大学准教授)
第3章 EU 政体論の系譜(臼井陽一郎/新潟国際情報大学教授)
第Ⅱ部 欧州統合理論
第4章 欧州統合の三つの「グランドセオリー」による危機説明(武田健)
第5章 ドイッチュの安全保障共同体論・再訪(中村英俊)
第6章 ヨーロッパ統合理論とセキュリタイゼーション・アプローチ(東野篤子/筑波大学教授)
第7章 歴史が理論と出会うとき(川嶋周一/明治大学教授)
第Ⅲ部 EU政体論
第8章 加盟国の政党政治とEU 理論研究(池本大輔/明治学院大学教授)
第9章 民主的政体としてのEU(小川有美/立教大学教授)
第10章 EU政体と連邦主義(臼井陽一郎)
第11章 欧州統合と市民権(佐藤俊輔/金沢大学准教授)
第12章 EUの法秩序・憲法・立憲主義論(中村民雄/早稲田大学教授)