頼山陽をはじめとする江戸文人たちのネットワーク「笑社」。詩書画の交歓に込められた、東洋美学と思想の深層に迫る決定版論集!
江戸時代後期、京都を舞台に頼山陽、田能村竹田、浦上春琴、篠崎小竹らが集い、詩文や書画を通じて深い精神的交流を結んだ文人結社「笑社」。彼らは単なる風雅の徒にとどまらず、儒教・仏教・道教(三教)の思想を縦横に交差させながら、新たな時代のアートと文学、そして生き方を模索した東アジア的教養の体現者たちでした。
本書は、これまで断片的にしか語られてこなかった「笑社」の全貌を、散逸した一次史料や詩文・画論から綿密に解読・再構築。従来の文学史・美術史の枠組みを超えた「三教交渉史」の視座から、江戸文人たちの思想とネットワークの実態を実証的に解き明かします。
旧版『笑社論集』に最新の研究成果と未公開史料を増補し、大幅に改訂・刷新した決定版です。
◆ 本書の特長と主な内容
・思想と画論の解明:文人画に込められた禅的・老荘的な精神性を論理的に解明。詩書画の交歓を高度な精神活動として捉え直し、東洋美学の深層へ迫ります。
・『日本楽府』に見る歴史観:「歴史」という概念が確立する以前に、彼らが日本の歴史をどう捉えていたかを検証。古代から安土桃山時代に至る歴史的事件や人物を詠じた山陽の詩文と、高弟・牧輗による詳細な史注から、山陽独自の尊王思想と日本史観(史論)を読み解きます。幕末の志士たちへ多大な影響を与えた思想的支柱の源流がここにあります。
・充実の資料と最新の現代語訳:関係年表・語彙索引を完備。未公開史料の影印・現代語訳を増補したほか、旧版の訳文も全面見直しを行いました。今後の江戸思想・文藝・美術史研究における必読の基礎文献です。
【収録テキスト(本邦初の現代語訳を多数収録)】
・『二家対策』:頼山陽と村瀬藤城の問答による文人藝術論(本邦初訳)
・『日本楽府』:頼山陽の日本史観を詩で表現し、牧輗の注を付した史詩(本邦初訳)
・『論詩声律集』:近世詩論の精華
・『論画詩』『続論画詩』:詩画一致の境地を示す文人画論