〝青春とは人生のある期間ではなく、心の持ちかたを言う〟
世に広く知られているサムエル・ウルマンの「青春」と題された詩の最初の一節です。わたしもこの詩を時に口にし、「青春とは、心の持ちかたを言う」と自らにも言い聞かせてきました。
80歳になった時、検査で腹部にがんが見つかり、急遽手術をすることになりました。〝人間、いつかは死ぬ〟、頭の中ではわかっているつもりでした。牧師という仕事柄、何十人もの方々の死に立ち会い、葬儀を何十回も行い、そのたびに「死は決して終わりではない」という説教もしてきました。
しかし、いざ自分が死ぬかもしれないという状況に置かれると、「死は決して終わりではない」という自分の言葉がうつろに聞こえてくるのでした。
幸い手術は無事に終わり、担当の医師は「これであと10年は大丈夫です」と保障してくれました。そのとき初めて80歳以後の人生など考えていなかったことに気づきました。もちろん、いつかは人生の終わりを迎えることは承知していましたが、残りの人生をどう生きるか、特段の希望もなかったのが現実でした。
80歳からの人生をどう生きるのか、あらためて考えました。「そうだ、聖書をもう一度読み始めよう」。10代で読み始めた聖書、そして80代であらためて読む聖書、その違いに驚きつつ、「聖書を読む」楽しみを味わう日々です。
今回の『80歳で創めるキリスト教』の出版は、80代の同輩へのメッセージにしたいとともに、自らの聖書の読み方を再点検したものです。楽しみながら、時には頭をかしげながら筆を執りました。
〝頭を高く上げ、希望の波をとらえる限り、80歳であろうと人は青春にして已む〟
ウルマンの「青春」(『青春とは、心の若さである』(TBSブリタニカ)の一節を心の中で繰り返しながら。