第一句集『ニュース』は、俳人協会会員としての世を忍ぶ仮の姿。
こちらが本当の谷雄介です。
無法地帯と化した俳句同人誌で、誰に頼まれたわけでもなく、誰かに褒められたいわけでもなく、ただ自分が面白いと思うことだけを五七五に認めた第二句集。
◆自選十句
焼跡より出てくるテスト全部満点
先生の背後にきのこぐも綺麗
撃てど暮らせど巨大少女の体育座り
ブラジャーのおもてや小さき花いくつ
きび団子モンドセレクション金賞
旅に病んでパブロンすぐに効くことよ
死にぎはの牡蠣の視界のみどりいろ
誰も寝てはならぬおでんに朝は来ぬ
コロッケに使命少なし春夕べ
ヤクルトレディに蜜柑をぶつける未来の遊び
◆プロフィール
谷 雄介 たに ゆうすけ
1985 年愛媛県鬼北町(旧・日吉村)生まれ。2 歳からジャンプっ子。
学校からの帰り道、ジャンプを読みながら歩いていたところ、「谷さんの家の子は二宮金次郎じゃないか」との評判が立ち、一躍「村の神童」となる。大学卒業後は広告業界に身を投じる、やがて宴席の男芸者に生きる道を見出すも、年を重ねるごとに出番は減少。四十代に差しかかる頃には、すでに老境の風情を漂わせていた。しかし、四十代など俳句の世界ではまだまだ小童である。新たなステージを求め、彼は俳句業界の闇へと消えていったのだった。