箸でごはんを食べながら、境界線のない世界を想像する——
写真家として、雑誌や書籍で食や旅、人物の撮影を手がけてきた疋田千里。仕事のかたわら、ライフワークとして「おはしのある風景」を撮り続けてきました。これまで数冊のパーソナルなZINEとして発表してきたそれらの作品が、今回一冊の写真集に結実しました。
箸をめぐって、日本からアジア、さらに多様な文化圏へ。旅を繰り返すうちに、疋田は、箸が「国境や人種を軽々と越えて使われている」という事実に着目します。日常の道具である箸を、世界に引かれた境界線を越えるシンボルとして捉えようとする試みが始まりました。
分断が深刻化する現代社会。「ともに食卓を囲む」という素朴で等身大の営みから、世界を見つめ直そうと呼びかける写真集です。