昭和維新運動の精神を将来に伝えるため、運動に挺身した先人の遺品・遺墨等を展示する資料館を開設したいとの希望は、かねてより故花房東洋氏から直接伺っていたところであった。同氏の強い希望によって実現した「青年日本の歌史料館」に並ぶ数々の資料は、先人の息吹を今に感じさせる貴重なものばかりである。
右の資料を写真に収めた図録があれば、展示を理解する助けとして、また居ながらにして資料と触れた際に得た感銘を味わい、思い起こすための価値ある記録とすることができる。そして本図録を手に取ることで、実際の資料を閲覧したいと希望する人が今後あらわれるであろう。維新の先駆者たちの個性を示す品々が、紙媒体に圧縮された形で、多くの方の手に触れることの意義は計り知れない。
実際の発刊に至るまでには種々の労苦があったはずであるが、坪内隆彦氏をはじめとする関係者の鋭意努力によって、困難な計画の実現をみたことは誠に喜ばしい限りである。それとともに今回の本図録刊行は、多年にわたり史料の刊行などを手がけられた花房氏の宿志に副うものにほかならず、将来に運動の精神を示すための深甚な意義を有するものと感じられる。ここに謹んで刊行のお慶びを申し上げるとともに、永きにわたり読み継がれ、故人の志を伝え続けることを切に願うものである。
小山俊樹(帝京大学教授)