★ 「守護霊に告ぐ。護るべき者を直ちに動かせ」――運命が動き出す衝撃の瞬間。
想像してみてください。すべてを失い、外国の地で一人「死」を選択しようとしている瞬間を。そして目を開けたとき、肉体はなくても現世と同じように体を持ち生き続ける霊の実情を知るのです。本書『3かい』は、そんな絶望の果てに「真の生」を見出した男の壮絶な魂の記録です。
かつてエリート工学者として栄光の絶頂にいた矢原。彼は、占い師の言葉を笑い飛ばしていました。しかし、運命は非情です。予言通り、家族も、築き上げたキャリアも、未来への希望もすべてを根こそぎ奪われます。追い詰められた彼は死に向かいます。渇いた川に沿って歩く死後の世界で、いよいよ霊界の門に辿り着いたとき自分を現世へ押し戻そうとする老婆と少女に出会います。「まだ死なないで」その一言が、彼の冷え切った魂に火を灯したのです。
時が流れ、彼は一人の少女・加代子と出会います。彼女もまた、自分だけに視える「見知らぬ手」や「不気味なモヤ」に怯え、誰にも理解されない孤独という地獄の中にいました。二人の出会いは偶然ではありません。それは、数世代を超えて受け継がれてきた守護霊たちの、あまりにも壮大な「愛の計画」によるものでした。
物語の中で描かれる霊の世界は、私たちが夢想するような甘い天国ではありません。時には自らの罪や弱さと向き合い、血を流してでも進まなければならない、厳格な修行の場でもあります。しかし、だからこそ、そこにある救いは本物なのです。
著者は、自らの恩師が遺した言葉をこの物語に刻み込みました。それは、目に見えない絆を信じることの尊さ、そして、どんなに深い闇の中にいても、必ず私たちは「星」のように誰かに見守られているという希望です。
加代子が師匠である矢原と共に、自らの能力を受け入れ、誰かのためにその力を使おうと決意するプロセスは、読んでいる私たちの心にある「自分勝手な殻」を優しく打ち砕いてくれます。読み進めるほどに、胸の奥が熱くなり、最後に辿り着く結末には、深い溜息とともに生きることへの確かな手応えを感じるはずです。
もしあなたが今、暗闇の中で出口を探しているのなら、どうかこの本を開いてください。この物語そのものが、あなたを光へと導く「一本の細い蜘蛛の糸」になることを信じています。